ChatGPT・Bing AI・Google Bardの特徴と回答内容の違いを徹底比較!

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ChatGPT Bing AI Google Bard アイキャッチ画像

2022年11月のリリースから利用者が爆発的に増加し、今やその存在を知らぬ人はほぼいないであろうAIチャットサービス「ChatGPT」

現在、1億3000万人以上が使っていると言われる「ChatGPT」以外にも、昨今優れた生成AI系サービスが次々と登場してきています。

その中でも、ChatGPTの対抗馬として特に注目を集めているのが、Microsoftの「Bing AI」とGoogleの「Bard」でしょう。

 

そこで今回は、生成AIの主要サービスとして脚光を浴びている「ChatGPT」「Bing AI」「Google Bard」の3つに焦点を当て、その違いについて徹底比較していきたいと思います。

基本的な情報のほかにも、これら3つの生成AI系サービスにまったく同じ質問をして、出力される回答内容にどれほど差が出るのか興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

1.主要な3つの生成AI

生成AIとは、「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれるAI(人工知能)の一種であり、入力された指示にしたがって文章、画像、音楽などの新しいコンテンツを生成するAIのことです。

AIへ指示を入力するだけで様々なオリジナルコンテンツを簡単に生成できることから、近年では人間の仕事や作業をサポートするツールとして、日常生活やビジネスシーンにおいて幅広く活用されるようになってきています。

 

そんな生成AIの中でも特にユーザー数が多く、主要サービスとして名を馳せているのが「ChatGPT」「Bing AI」「Google Bard」の3つといえます。

ChatGPTとは?

「ChatGPT」とは、アメリカのOpenAI社が開発した対話型AIチャットボットのことです。

ユーザーが入力した質問に対して、まるで人間のように自然な対話形式でAIがすぐに的確な回答を返してくれる非常に便利なサービスとなっています。

 

2022年11月のリリース以降、その回答精度の高さから利用者が急増しており、公開からわずか2ヵ月で月間アクティブユーザーが1億人を突破するほどの大きな話題となったツールです。

Bing AIとは?

「Bing AI」とは、Microsoftが提供する検索エンジンサービス「Bing」にAIチャット機能を搭載したツールのことです。ChatGPTと同様に、質問を入力すれば人間が書いたような自然な文章で回答が返ってきます。

 

2023年2月にリリースされ、Microsoftの公式サイトでは「新しいBing」として紹介されています。

Google Bardとは?

「Google Bard」とは、Googleが開発した対話型AIサービスのことです。
2023年3月にアメリカとイギリスで一般公開され、同年5月からは日本語にも対応しました。

ChatGPTやBing AIなどと同様に、ユーザーからの幅広い質問やリクエストに応じて、人間のように自然で正確な回答を返してくれます。

 

サービス名の「Bard」は、日本語で「詩人」という意味があり、ユーザーからの質問に対して「詩人」のように自然でなめらかな回答を生成する、という役割を期待して名付けられたそうです。

2.それぞれの特徴

次に、ChatGPT・Bing AI・Google Bardそれぞれが持つ特徴について整理していきます。

ChatGPT(提供元:OpenAI)

ChatGPTの特徴は、何と言っても自然な会話形式でやり取りができることです。

質問を投げかければ、まるで人間と会話しているかのようにごく自然な答えが返ってきますし、質問を何度か重ねた場合でも、ChatGPT側がそれまでの会話の流れを踏まえて適切な回答を返してくれます。

 

また、大抵の質問に対して瞬時に回答が出力されるため、待ち時間なくストレスフリーにコミュニケーションを行える点も大きな特徴です。

Bing AI(提供元:Microsoft)

Bing AIの大きな特徴の1つとして、検索エンジンである「Bing」の検索結果を根拠として、最新情報に基づいたリアルタイム性の高い回答を生成できる点が挙げられます。

回答のソースとなったWebサイトのリンクもすぐに確認でき、2021年までのデータしか学習していないChatGPTよりも、返ってくる回答の質は正確で信頼性が高いです。

ただし、Bing検索を経由する分、回答の生成までに10~20秒程度のタイムラグが生じるため、レスポンスはかなり遅めになっています。

 

また、Microsoft社とChatGPTの提供元であるOpenAI社はパートナー関係にあることから、Bing AIにもChatGPT(有料版)と同じ「GPT-4」という高度な大規模言語モデルが使われています。

Google Bard(提供元:Google)

Google Bardは、多言語対応・推論・コーディング能力により特化した高性能な大規模言語モデル(LLM)「PaLM2(パーム・ツー)」を搭載しているのが特徴です。

リリース当初は「対話」に特化したLLMである「LaMDA(ラムダ)」を基盤としていましたが、現在は最先端のLLMである「PaLM2」へと移行しています。

 

また、Google Bardのもう1つの大きな特徴として、Google検索と連動している点が挙げられます。

そのため、Web上からリアルタイムで最新の情報を取り込み、鮮度の高い回答を提供してくれます。
「Google検索」というソースにより、情報の信頼性は十分に担保されているといえます。

3.基本情報の比較

「ChatGPT」「Bing AI」「Google Bard」の基本的な情報について比較してみましょう。

ChatGPT Bing AI Google Bard 比較

「ChatGPT」と「Bing AI」の違い

ChatGPTとBing AIは、主に5つの違いがあります。

情報の鮮度

Bing AI:検索エンジン「Bing」と常時連携しているため、最新のデータを踏まえた情報提供に優れています。

ChatGPT:2021年までのデータしか学習しておらず、最新情報に基づいた回答を生成することはできません。

利用料金

Bing AI:大規模言語モデルの最新バージョンである「GPT-4」を「無料」で使うことができます。

ChatGPT:「GPT-4」機能を使うには、月額約2,700円の有料プランに加入しなければなりません。

文字数やチャット回数の制約

Bing AI:文字数の上限(1回あたり2,000~4,000文字まで)およびチャット回数の上限(1トピックあたり30回まで)が設定されています。

ChatGPT:有料版だと使用回数(3時間あたり50回まで)の制限が厳しいですが、文字数の制限はBing AIよりも比較的ゆるめになっています。

回答の信頼性

Bing AI:生成された回答の各所に振られた番号や、メッセージ下部にあるURLをクリックすると、簡単に出典元の情報を確認することができます。

ChatGPT:回答には情報源となったWebサイトのリンクは基本的に含まれないため、情報の信頼性を確認する手段がありません。

画像対応の有無

Bing AI:2023年7月のアップデートにより、画像付きでの質問・回答ラリーに対応できるようになりました。

ChatGPT:有料版だと画像を使った質問ができるものの、画像を用いた回答を返すことはできないようです。無料版はどちらも不可能です。

「ChatGPT」と「Google Bard」の違い

ChatGPTとGoogle Bardは、主に4つの違いがあります。

利用料金

Bard:今のところ完全無料で利用できます。

ChatGPT:無料版と有料版の2種類があり、有料版は月額20ドル(約2,700円)がかかります。

使用モデル

Bard:多言語対応・推論・コーディング機能が向上したGoogleの大規模言語モデル(LLM)「PaLM2」を基盤としています。

ChatGPT:無料版は「GPT-3.5」、有料版は「GPT-4」を基盤としています。
どちらもOpenAIが開発したLLMです。

リアルタイム性

Bard:Google検索と連携し、Web上にある最新の情報を踏まえて回答を返してくれます。

ChatGPT:無料版は2021年9月までの情報しか学習していないため、最新の情報を含んだ回答を生成することはできません。
(※有料版は、プラグインを活用することで最新情報にアクセスできます)

回答速度

ChatGPT:質問を入力するとほぼ瞬時に回答が生成されます。

Bard:Google検索を経由する分、回答が返ってくるまでに5秒ほどのタイムラグがあります。

「Bing AI」と「Google Bard」の違い

ChatGPTとGoogle Bardは、主に6つの違いがあります。

検索エンジン

BardとBing AIは、どちらも検索エンジンと連携して最新情報を踏まえた回答を生成してくれますが、Bardは「Google」、Bing AIは「Bing」を利用しています。

現在、世界で最も高い検索エンジンシェア率を誇るのはGoogleなので、今後はBardがよりシェア率を伸ばすと予想されています。

使用モデル

Bard:Googleが自社開発した大規模言語モデル(LLM)「PaLM2」をベースとしています。

Bing AI:OpenAIの最新LLM「GPT-4」をベースとしています。

文字数・チャット回数の制限

Bard:一度に送信できる文字数は5,000文字ですが、チャット回数の制限はありません。

Bing AI:文字数の上限(1回あたり2,000~4,000文字まで)とチャット回数の上限(1トピックあたり30回まで)の両方が設定されています。

回答ソースの提示

Bing AI:回答には、毎回必ず情報源となったWebサイトのリンクが付いており、URLをクリックすればその内容をすぐに確認することができます。

Bard:「ソースを示すように努力している」とのことですが、回答のソースが示されない場合も多いようです。ちなみに、Bardが返す回答の中に含まれる画像には、ソースが頻繫に表示されます。

回答速度

どちらも検索エンジンを経由する分、回答が返ってくるまでに若干タイムラグがあります。

Bardでは5秒ほど、Bing AIでは10~20秒ほどレスポンスまでに時間がかかったので、使いやすさの点で言えばBardのほうに軍配が上がります。

画像生成機能

Bing AI:入力されたテキストからイメージに近い画像を生成する「Bing Image Creator」という機能があり、画像生成モデルとしてOpenAIの「DALL・E2(ダリ・ツー)」を利用しています。
※最新版は「DALL・E3(ダリ・スリー)」

Bard:今のところ画像生成の機能はありませんが、「画像付きでの質問」や「画像を含む回答」には対応しています。

4.回答内容の比較

ここでは、「ChatGPT」「Bing AI」「Google Bard」それぞれのツールごとに、同じ質問をして得られる回答内容にどのくらい差が出るのか、回答の精度や速さ、正確性について比較していきましょう。

 

なお、今回ChatGPTについては無料版で検証を行い、入力する質問(プロンプト)の内容はすべて同一としています。

質問への回答

質問:
実務でExcelを使いこなすために大切なことを教えてください。

質問への回答 ChatGPT
ChatGPT-3.5
質問への回答 Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「厳密に」を選択)
質問への回答 Google Bard
Google Bard

回答は、いずれも箇条書きで分かりやすく書かれており、ChatGPTは10個、Bing AIは7個、Google Bardは3個のポイントを挙げてくれました。

情報量としては、ChatGPTが最も充実しており、次いでGoogle Bard、Bing AIは他と比べて圧倒的にシンプルかつ端的な回答となっていました。

長々とした文章を敬遠しがちなビジネスパーソンに好まれるのは、Bing AIかもしれません。

 

レスポンスの速度は、速い順から「①ChatGPT」「②Google Bard」「③Bing AI」でした。

ChatGPTは、まるで高速タイピングをしているかのように物凄いスピードで一文字ずつ回答が生成され、Google Bardは質問を送信してから5秒ほどすると回答が一気に表示され、Bing AIは一文字ずつのんびりと回答が生成されていました。

素早い回答により、使い心地の快適さを追求したいなら、ChatGPTとGoogle Bardは許容範囲内ですが、Bing AIはかなりレスポンスが遅いのでおすすめしません。

アイデア出し

質問:
あなたは会社の新入社員歓迎会の担当者です。
歓迎会で楽しめるイベントをいくつか考えてください。

アイデア出し ChatGPT
ChatGPT-3.5
アイデア出し Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「創造的に」を選択)
アイデア出し Google Bard
Google Bard

ChatGPTやGoogle Bardは、「自己紹介」「クイズ大会」「ビンゴゲーム」など、わりと一般的な回答が並んでいます。

Google Bardに比べると、ChatGPTの回答は教科書的で、少し実用性に欠けるかもしれません。

 

一方、Bing AIのアイデアの独創性は他2つと比べて頭一つ抜きん出ており、もはや神懸かっているように感じました。

ビンゴはビンゴでも「参加者の名前でビンゴ」だったり、「チャンバラ合戦」「格付けバトル」など、人間が普通に考えても思いつくのが難しい突飛なアイデアが複数挙げられており、かなり柔軟な発想力を発揮してくれています。

長文の要約

質問:
次の文章を200字程度で要約してください。

「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ」。4年前にヒットした映画「翔(と)んで埼玉」で話題を呼んだセリフだ。自虐ギャグ満載の内容にもかかわらず県民にも好評で、全国的な認知度向上につながった。来月、続編が公開される▲「子育てしやすい埼玉で! 色とりどりな秋の楽しみ方」。映画ともコラボした県主導のPR誌が最新号で特集を組んでいる。そんなアピールポイントに期待していた県民には寝耳に水だったろう▲埼玉県議会の委員会で可決され、わずか4日で撤回された「虐待禁止条例」の改正案である。提案者の自民党県議団は子供だけの留守番や登下校、公園での遊びも「放置」に当たる禁止事項と説明していた▲放置は危険と周知する狙いはわからなくもない。だが子育ての実態を踏まえぬ内容に「留守番禁止条例」と反発の声が広がったのは当然である。成立していれば、学童保育の送迎も難しい一人親や共働き家庭は途方に暮れたに違いない▲自民党県議団58人のうち女性は3人だけ。国の目標に程遠い男女比率が議論をゆがめはしなかったか。県知事や県選出の自民党国会議員もあきれ顔の条例案が成立寸前にまで進んだ経緯を知りたい▲「(日本では)急速な社会の変化に職場が追いついていない」。男女格差の研究で今年のノーベル経済学賞受賞が決まった米ハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授が語っている。県議団もその一つか。「とんだ埼玉」をアピールされては県民も迷惑至極だろう。

出典:2023/10/12「毎日新聞 余禄」

長文の要約 ChatGPT
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長文の要約 Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「バランスよく」を選択)
長文の要約 Google Bard
Google Bard

612文字の文章を200字程度に要約するよう頼んだところ、ChatGPTは275字、Bing AIは309字、Google Bardは293字で要約してくれました。

字数だけで見れば、プロンプト指示に最も忠実だったのはChatGPTでした。

 

一方、要約された内容の正確性については、精度の高い順に「①Bing AI」「②ChatGPT」「③Google Bard」でしょうか。

Bing AIは、あまり余計なことを書かず無難に要点をかいつまんでまとめてくれているように見えます。

ChatGPTは、1~2文目のつながりが少々強引だったので次点としましたが、最後の一文「県のアピールポイントが逆効果になってしまった」はかなり言い得て妙だと思います。

Google Bardは、最後の『県民からは「とんだ埼玉」と揶揄する声も上がっている』が、原文の主張とはズレた内容になっていたため、最低評価としました。

文章の推敲

質問:
あなたはプロの編集者です。
次の文章を、中学生にも分かりやすいように推敲してください。

Google 検索は完全に自動化された検索エンジンです。「ウェブ クローラー」という種類のソフトウェアを使用して定期的にウェブを探索し、見つけたページを Google のインデックスに登録しています。Google 検索結果に表示されるページのほとんどは、手動でインデックス登録されたものではなく、ウェブクローラがウェブをクロールして見つけ、自動的に追加したものです。ここでは、ウェブサイトの所有者の目線で、Google 検索の仕組みについて説明します。このドキュメントで解説する基本的な知識があれば、クロールに関する問題を解決し、ページがインデックスに登録され、Google 検索結果にサイトが表示されるように最適化できます。

出典:Googleドキュメント

文章の推敲 ChatGPT
ChatGPT-3.5
文章の推敲 Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「バランスよく」を選択)
文章の推敲 Google Bard
Google Bard

文章の推敲(=テキストの内容を何度も練り直し、より質の高いものに仕上げること)をお願いしたところ、Google Bardが最も分かりやすい形で回答をまとめてくれました。

推敲後の文章は7文→4文とかなりコンパクトになっていますし、他にも「推敲のポイント」や「具体的な変更点」も挙げられており、ライティング講座のレッスンですぐにでも使えそうなレベルです。

 

なお、ChatGPTは「比喩」を上手く使って指示通り中学生にもイメージしやすいように説明をかみ砕いてくれていました。

Bing AIは、元々の文章から余分なものを削ぎ落としたのみで、特に中学生向けに言い換え表現などは見られませんでした。

外国語の翻訳

質問:
次の英文を日本語に翻訳してください。

We are beginning to roll out new voice and image capabilities in ChatGPT. They offer a new, more intuitive type of interface by allowing you to have a voice conversation or show ChatGPT what you’re talking about.

Voice and image give you more ways to use ChatGPT in your life. Snap a picture of a landmark while traveling and have a live conversation about what’s interesting about it. When you’re home, snap pictures of your fridge and pantry to figure out what’s for dinner (and ask follow up questions for a step by step recipe). After dinner, help your child with a math problem by taking a photo, circling the problem set, and having it share hints with both of you.

We’re rolling out voice and images in ChatGPT to Plus and Enterprise users over the next two weeks. Voice is coming on iOS and Android (opt-in in your settings) and images will be available on all platforms.

出典:OpenAI社 Blog

翻訳 ChatGPT
ChatGPT-3.5
翻訳 Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「バランスよく」を選択)
翻訳 Google Bard
Google Bard

英語から日本語への翻訳能力については、ChatGPT・Bing AI・Google Bardの間で特に大きな差は見られませんでした。

強いて言うなら、Google Bardが3つの中で最も自然な日本語訳になっているといえるでしょう。

さすが、強力な多言語処理機能を有する大規模言語モデル(LLM)「PaLM2」を使っているだけはあります。

 

Bing AIは一文として完結していない部分がありますし、

・・・夕食に何を作るか考えたり(ステップバイステップのレシピのための追加質問も可能です)。

ChatGPTは少しぎこちない直訳文になっているところがありました。

音声と画像は、ChatGPTを活用するためのさらに多くの方法を提供します。

メール文の作成

質問:
お客様に、打ち合わせ日程の変更についてお願いするメールを作成してください。

メール文作成 ChatGPT
ChatGPT-3.5
メール文作成 Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「バランスよく」を選択)
メール文作成 Google Bard
Google Bard

各生成AIからの回答を見ると、ChatGPTとGoogle Bardはこちらの質問(プロンプト)の意図を汲み、すぐにでもメールの下書きに流用できそうな文面を出力してくれました。

ChatGPTは文面そのものをクリップボードアイコン1つで一気にコピーできるところが、Google Bardは文面の例だけでなくポイントまで記載してくれているところが親切です。

 

一方、Bing AIは日程変更の “お願い” のはずが、「下記の通り変更させていただくことになりました」と既に “決定事項” として文面を作成している点が少々残念でした。

データ分析

質問:
下記は、世界全体におけるソーシャルメディア統計(2022年9月~2023年9月)のデータです。
傾向を分析して、特徴を簡単に説明してください。

Date Facebook Instagram Twitter Pinterest YouTube reddit LinkedIn Tumblr VKontakte Fark news.ycombinator.com Other
Sep-22 71.64 7.51 9.02 6.52 3.83 0.8 0.33 0.17 0.1 0.02 0.02 0.02
Oct-22 68.87 8.18 10.37 7.33 3.92 0.58 0.34 0.23 0.11 0.02 0.03 0.02
Nov-22 67.13 9.65 10.38 7.44 3.38 1.02 0.35 0.42 0.11 0.03 0.05 0.02
Dec-22 67.67 10.57 10.35 6.59 3.32 0.77 0.3 0.26 0.1 0.02 0.02 0.03
Jan-23 66.9 9.62 12.36 6.05 3.61 0.52 0.53 0.24 0.1 0.01 0.02 0.03
Feb-23 69.33 9.74 10.46 5.76 3.57 0.42 0.33 0.21 0.09 0.02 0.03 0.03
Mar-23 67.41 11.04 10.35 6.09 3.89 0.45 0.4 0.2 0.09 0.02 0.02 0.03
Apr-23 66.31 11.94 11.49 5.54 3.49 0.46 0.36 0.23 0.1 0.02 0.02 0.03
May-23 65.7 12.63 11.44 5.24 3.74 0.45 0.4 0.27 0.1 0.02 0.01 0.02
Jun-23 63.94 13.93 12.1 4.78 3.98 0.46 0.43 0.23 0.08 0.02 0.02 0.02
Jul-23 65.78 14.32 8.85 5.96 3.78 0.58 0.4 0.2 0.09 0.01 0 0.02
Aug-23 66.91 13.05 8.38 6.35 3.96 0.62 0.4 0.2 0.08 0.02 0 0.01
Sep-23 65.24 13.31 8.75 7.28 4 0.52 0.44 0.2 0.22 0.02 0 0.02

出典:Social Media Stats Worldwide Sept 2022 – Sept 2023(StatCounter)
※CSVデータをプロンプトに貼り付けています

データ分析 ChatGPT
ChatGPT-3.5
データ分析 Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「バランスよく」を選択)
データ分析 Google Bard
Google Bard

3つの中で、分析ツールとして優れていると感じたのは、ChatGPTとGoogle Bardでした。

ChatGPTは、ソーシャルメディア1つ1つの名前を挙げながら特徴を丁寧に分析してくれており、最後に総括も書いてあります。

Google Bardも、分析結果が4つの箇条書きで分かりやすく整理されており、データの傾向を瞬時に把握できるようになっています。

 

その一方で、Bing AIは、

「InstagramやTwitterも多くのユーザーを抱えているが、Facebookに比べるとその差は大きい」

「PinterestやYouTubeも多くのユーザーを抱えているが、InstagramやTwitterに比べるとその差は小さい」

など、一読しただけではよく分からない表現が含まれており、分析結果を上手くまとめられていないように感じました。

プログラミング

質問:

package sample;
public class SampleClass {
 public static void main(String[] args) {
  String buf = null;
  System.out.println(“buf length is ” + buf.length());
 }
}

上記のプログラムを実行したところ、以下のような結果が出力されました。

Exception in thread “main” java.lang.NullPointerException
       at sample.SampleClass.main(SampleClass.java:5)

このエラーメッセージを解読してください。

プログラミング ChatGPT
ChatGPT-3.5
プログラミング Bing AI
Bing AI(※会話のスタイルは「バランスよく」を選択)
プログラミング Google Bard
Google Bard

プログラミング中に発生したエラーの解消に役立つ「エラーメッセージの解読」には、Google Bardが最も優れているといえるでしょう。

エラーが発生した原因はもちろんのこと、エラーを回避するためのコード修正案も提案してくれているため、開発作業や学習がスムーズに進みます。

 

ChatGPTは、エラーメッセージの内容が丁寧に解説されているほか、文面だけではありますが解決策も一緒に提示してくれています。

Bing AIは、指示通り忠実にエラーの内容(java.lang.NullPointerException)を説明してくれていますが、具体的な解決策は残念ながら示されていませんでした。

5.まとめ -結局どのツールを使えばいい?

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、「ChatGPT」「Bing AI」「Google Bard」の3つの主要な生成AIについて、同じ質問をして得られる回答内容にどのくらい差が出るのか、それぞれ8つのシーン別に詳しく検証を行いました。

以下に結果をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

・Google Bard:

┗多言語処理・推論・コーディング能力を特別強化した大規模言語モデル(LLM)「PaLM2」をベースとしていることもあり、「文章の推敲」「外国語の翻訳」「データ分析」「プログラミング」といった言語・数的処理に優れている。

┗情報を分かりやすく整理するのが抜群に上手く、生成される回答は非常に読みやすい。3つの中で迷ったらまずGoogle Bardを使ってみると良い。

・Bing AI:

┗余分な情報が含まれないシンプルで端的な回答が返ってくることが多いので、ビジネスパーソンの好みに合っている。ただ、ユーザー側の指示にかなり忠実で、指示された以上のことにはあまり対応してくれない。

┗会話のスタイル:「創造的に」で出してくれるアイデアは3つの中でも抜きんでている。企画立案にはうってつけ。ただし、レスポンスはかなり遅いので注意。

・ChatGPT(無料版):

┗Google BardとBing AIのちょうど中間ぐらいの精度。Google Bardで思うような回答が得られない時に使うと良い。

┗有料版でも時間あたりの使用回数の上限があるなど、機能面での制約が多く、無料で使えるGoogle BardやBing AIと比べるとコスパは良くない。有料版へのアップグレードは慎重に。

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この記事を書いた人

Y.M(マーケティング室)

2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。