最終更新日:2025年1月23日

「現在会社で利用している製品やソフトウェアの ”EOL” が近づいている」といったように、サーバーやOS、アプリケーションなどのIT関連製品を運用しているとよく耳にする「EOL」という言葉の意味についてご存知でしょうか。
EOLとは「End Of Life」の略称で、メーカーによる製品の保守サポートが終了するタイミングのことです。
EOLを迎えてサポートが切れてしまった製品は、セキュリティの問題など企業にとって大きなリスクをもたらすことになるため、基本的にはリプレイスに向けて入念な事前準備が必要となります。
今回は、EOLの概要と、混同しやすい「EOS」や「EOSL」といった用語との違い、EOLを放置すると招きかねないリスクや具体的な対応策について解説します。
いざEOLを間近に控えて慌てて困ることがないよう、この機会にぜひEOLについて正しく知っておきましょう。
目次
1.EOL(End Of Life)とは?
EOLは「End Of Life」の略で、製品のライフサイクル終了という意味です。
ハードウェアやソフトウェア製品の販売・サポートが終了し、製品に含まれる部品についても、新規の生産が行われなくなるタイミングのことを指します。
例えば、2009年に発売されたWindows7は、約10年後の2020年1月14日にサポート終了を迎えましたが、この日付がWindows7というOS製品のEOLにあたります。
EOLを過ぎると、その製品・サービスに関する公式な技術サポートや、セキュリティパッチを含む更新プログラムの提供が一切受けられなくなるほか、修理・部品交換の保証対象外となります。
EOLが設定されている理由
メーカーが各種製品・サービスにEOLを設定している理由としては、次のようなものが考えられます。
①維持コストの削減
部品調達や技術者の確保が難しいなどの理由で、古い製品をサポートし続けるのに多大なリソースを必要とするため。
②新製品への移行促進
ユーザーに新製品や最新バージョンへの移行を促し、収益の増加・競争力の強化につなげるため。
③技術進化への対応
新しい技術が登場し、既存の製品やサービスが時代遅れになると、旧製品では新しいニーズやトレンドに応えられなくなるため。
④セキュリティと規制対応
古い製品が新しい法規制やセキュリティ基準に対応できなくなった場合、メーカーがサポートを続けることで責任を問われるリスクがあるため。
⑤リソース配分の最適化
限られたリソースを新製品の開発・サポートに集中させ、サービス品質や顧客満足度の向上につなげるため。
EOLが設定されることで、メーカーは古い製品のサポートを終了し、新製品の開発・販売にリソースを集中できるようになるほか、顧客は常に最新技術を活用した製品やサービスを利用できます。
EOLとEOS・EOSLの違い
EOLと似た用語として、「EOS」や「EOSL」というものもあります。
混同しやすいので、ここで意味をしっかりと把握しておきましょう。
【EOLと異なる意味を持つ用語】
- EOS(End Of Sales):製品・サービスの「販売」が終了すること
【EOLとほぼ同じ意味を持つ用語】
- EOS(End Of Support):製品・サービスの「サポート」が終了すること
- EOSL(End Of Service Life):製品・サービスの「サポートサービス」が終了すること
- EOM(End Of Maintenance):製品・サービスの「保守」や「品質維持」が終了すること
- EOE(End Of Engineering):製品・サービスの「技術サポート」が終了すること
EOLとEOS(End Of Sales)の最大の違いは、「サポートが受けられるかどうか」にあるといえます。
多くの製品やサービスは、先に生産・販売を終了(=EOS)し、その後一定期間経過してからサポート終了(=EOL)の時期を迎えます。
EOSとなった製品・サービスは、新規の販売こそ終了しますが、EOLを迎えるまでは部品の交換や問い合わせといったサポートを継続して受けることができます。

一方で、EOS(End Of Support)、EOSL、EOM、EOEは、EOLとほぼ同義の言葉ですが、メーカーによって使われている用語はそれぞれ異なります。
対象の製品・ソフトウェアではどの言葉が使われているか、メーカーのHPなどから確認しておくと良いでしょう。
2.EOLを迎えるとどうなる?
EOLを迎えたとしても、メーカーによるサポートが終了するだけで、製品・ソフトウェア自体は継続して利用できますが、次のような問題があるためあまりおすすめはできません。
製品の修理対応やサポートが受けられなくなる
製品やサービスがEOLを迎えると、電話やメール等も含め、製品に関する問い合わせ対応や技術サポートを一切受けられなくなります。
特にハードウェア製品の場合、修理や部品交換のサポートも一切受けられなくなる点に注意が必要です。
そのため、EOL後に不具合や故障が発生して修理が必要になった場合、修理完了まで長い期間を要してしまったり、サポート範囲外として高額な修理費用を請求されたりする可能性があり、デメリットが非常に大きくなります。
不具合の修正・アップデートがされなくなる
EOLを迎えると、新たに脆弱性や不具合が発見されたとしても、メーカーからアップデートや修正プログラムの提供を一切受けられなくなるため、セキュリティリスクが急激に高まります。
新たなバグや脆弱性が見つかっても、あらゆるアップデートが今後行われなくなることから、EOL後も製品を使い続ける場合は、すべて利用者側の責任でセキュリティ対策を強化する必要があります。
3.EOLをそのまま放置するとどうなる?
EOLを迎えても、新バージョンへの移行や代替製品の使用といった対応を取らずにそのまま放置していると、どのようなリスクがあるか見ていきましょう。
セキュリティリスクの増加
先述の通り、EOL後は新たに発見されたセキュリティ上の脆弱性に対して修正プログラムが提供されなくなるため、サイバー攻撃のターゲットとして狙われやすくなり、システムへの不正アクセスや情報漏えいのリスクが高まります。
もし個人情報や機密情報のような重要データが外部に流出するなどの被害が発生した場合、企業は顧客や取引先からの信頼を失うだけでなく、法的責任を問われ、多額の損害賠償金を請求される可能性もあります。
業務停止リスクの増加
EOLを迎えた製品は、販売開始から何年も経過しているため、経年劣化による故障のリスクが非常に高まっています。
そのため、突発的な故障などが原因で、重要なシステムや機器が使用不能になると、業務が一時的に停止し、生産性や収益に大きな影響が出る可能性があります。
メーカーからの公式サポートが受けられないため、修理対応はすべて自社で行う必要があり、問題解決にも時間がかかります。
こうした不具合・トラブル対応に社内の貴重な人的リソースが割かれてしまうと、本来取り組むべき他の重要業務に集中できなくなるといった悪影響も出てくるでしょう。
コストの増加
EOLを迎えた製品を継続利用すると、思わぬコストが発生するリスクがあります。
EOL後は、製品に含まれる部品の新規生産・販売が終了し、修理に必要な部品が入手困難となるため、高額な調達費用が発生することがあります。
場合によっては、部品を調達できずに修理が不可能になるケースもあります。
万が一修理を受けられたとしても、公式サポートの対象外ということで、通常よりも高額な修理費用を請求されてしまう可能性もあります。
競争力の低下
EOL後の古いシステムを使い続けることで、最新の技術に対応できずに業務効率やサービス品質が低下し、競合他社に遅れを取ってしまうリスクがあります。
さらに、EOLを迎えたシステムは故障や不具合が発生するリスクが高まっているため、システム障害などのトラブルが多発すると、利用者からの信頼性を損ねて、顧客満足度の低下や顧客離れを引き起こす恐れがあります。
4.EOL対応の選択肢
放置しているとさまざまな不都合やリスクが生じるEOLへの対応方法としては、大きく分けて「アップグレード」「移行」「延命」「廃止」という4つの選択肢があります。
アップグレード
EOL対応策として、最も一般的な選択肢です。
既存の製品やサービスを最新のものにバージョンアップすることで、セキュリティや機能性を向上させます。
現行システムに不具合がなく、安定した運用を続けている場合や、現行システムをさらに進化させることで、業務効率化や生産性向上といった大きなメリットが見込める場合に最適です。
移行
現在利用しているシステムを新しいものに交換する、いわゆる「リプレイス」です。
オンプレミスの社内システムからクラウドサービス(SaaS)に乗り換えたり、似たような機能を持つ他メーカーの代替製品を新しく導入する、といった方法があります。
現行システムの運用に支障をきたしている場合や、新システムに移行した方が大きなメリットを見込める場合に最適です。
延命
メーカー以外の業者によって提供される「第三者保守サービス」を利用し、本格的な移行準備が整うまでの「つなぎ」として、既存システムの運用を一時的に継続する方法です。
予算・人的リソースの制約があり、すぐには移行作業が実施できない場合に、独自の修正やセキュリティ対策を施すなどの適切な延命措置を講じ、システムの安定性を一時的に確保することで、運用を継続します。
ただし、これらの延命措置はあくまでも移行やアップグレードまでの「時間稼ぎ」に過ぎず、根本的な解決にはつながらない点に注意しましょう。
廃止
EOLを迎えた製品やサービスの利用を完全に停止する、あるいは必要最小限の運用に切り替える方法です。
現行システムの利用頻度が元々低かったり、業務上の重要性が低い場合などに検討されることがあります。
5.EOL対応の方向性
EOL対策としてバージョンアップやリプレイスの検討を行う際は、何を目的とするかが重要なポイントとなります。大きく分けて以下3つの方向性が考えられるでしょう。
- 「守りの策」:今とほぼ同等の機能を持つ代替製品を導入して現状維持を図る
- 「攻めと守りの中間策」:今よりも高性能な新製品を導入して業務効率化を図る
- 「攻めの策」:新しい技術を積極的に導入して事業の拡大を図る
既存業務の安定運用を重視するか、それとも業務効率化やビジネス拡大・転換へのチャンスと捉えるかで、EOL対策の方針が大きく変わってきます。
代替製品による現状維持
現行とほぼ同様の機能を持つ製品へのバージョンアップまたはリプレイスを行い、既存の業務プロセスを変えることなくそのまま踏襲します。
全く使い勝手が違うシステムを導入して一から運用を開始するよりは、現場での抵抗も少ないでしょう。
現行システムでも問題なく業務が行えており、EOL対策による影響を最小限に抑えたい場合におすすめです。
新製品の活用による業務効率化
特に、サーバーやネットワーク機器などのハードウェアは、技術の進化やCPU処理能力の向上、メモリやディスクの価格低下などにより、数年単位で性能やキャパシティの向上が行われています。
今は問題なくても、経年劣化や技術の遅れで突然使えなくなるリスクもあります。
EOL対策としてより高性能な新製品へ切り替えることで、従来以上の生産効率で業務を進められる可能性があります。
新技術の活用によるビジネス拡大
DX推進に向けた動きが世間でますます加速している昨今、ビジネスに大きな変革をもたらすために、EOLをビジネスチャンスと捉えて新技術を積極的に導入する企業が増えています。
例えば、サーバーのEOL対策としてオンプレミスからクラウドへの移行を行った場合、運用・保守コストを削減できるだけでなく、「導入の簡便さ」というクラウドの特長を活かして新しいサービスを素早く立ち上げ、業績の拡大を目指すことができます。
6.EOL対応にかかる費用・時間
EOL対応にかかる費用や時間は、選択肢(アップグレード・移行・延命・廃止)や対象システムの規模、複雑さによって大きく異なりますが、大規模で複雑なシステムほど、かかる費用や時間は増える傾向にあります。
アップグレード
- 費用:
小規模なアップグレードの場合、「数十万円程度」から始まり、大規模なものでは「数百万円以上」になることもあります。
- 時間:
アップグレードの規模や影響範囲にもよりますが、一般的に「数週間から数ヶ月程度」かかります。カスタマイズが必要な場合、さらに時間を要することもあります。
移行
- 費用:
システムの規模や種類によって大きく異なりますが、一般的には「数百万円〜数千万円程度」かかります。
外部の専門家やコンサルタントを活用する場合、さらに追加の費用がかかりますが、その分対応をスムーズに進めることができます。
- 時間:
「数ヶ月」から、長い場合は「1年以上」かかることもあります。
システムの規模にもよりますが、計画段階から移行、テスト、運用開始までを含めると、全体で「6ヶ月〜1年程度」かかることが多いです。
延命
- 費用:
現行システムの一時的な安定運用のため、ハードウェア修理、パッチ適用、セキュリティ強化などが必要になります。
既存のシステムを使い続けるために比較的安く済むことが多いですが、費用は「数十万円〜数百万円程度」かかります。
- 時間:
現行システムの状態にもよりますが、通常は「数ヶ月から1年程度」の期間を見込むことができます。この間に、新しいシステムへの移行準備を整えます。
廃止
- 費用:
データ消去費用、ハードウェアの廃棄費用など、廃棄作業にかかるコストが「数十万円程度」発生します。
代替となる新システムの選定が必要な場合、数百万円以上のコストがかかることもあります。
- 時間:
廃棄のみの場合、通常は「数日~2週間程度」、新システムの選定・導入が必要な場合は、「3ヶ月~半年以上」かかることが一般的です。
7.EOLに備えてやっておくべきこと
現在社内で使用している製品・サービスがEOLを迎える前に、準備しておくべきことについてご紹介します。
製品ごとにEOLの情報を整理しておく
まずは、自社で保有しているハードウェア、ソフトウェア、OS、アプリケーションをすべて洗い出したうえで、各製品がいつEOLを迎えるのか把握しておくことが重要です。
EOL情報は、各メーカーのWebサイトや公式ドキュメントで公開されていることが一般的ですので、定期的にチェックしておきましょう。
製品ごとにサポート終了日をまとめ、IT資産管理台帳やインベントリ管理システム、カレンダーなどに記載しておくと、抜け漏れを防げるほか、リマインダーにもなって便利です。
EOL対応の優先順位付けを行う
整理したEOL情報をもとに、優先的に対応すべき製品はどれかを特定しましょう。
下記4つの観点から総合的に判断し、優先度の高い製品から計画的に対応を進めることで、EOLに伴うリスクを最小限に抑えられます。
①システムの重要度
EOL対象の製品やシステムが、業務の中でどれほど重要かを評価し、重要度の高いシステムから優先的に対応を検討します。
②業務への影響度
基幹システムや顧客対応に利用しているシステムなど、トラブル発生時に業務への影響度が大きい製品は、優先的に対応を検討し、業務停止のリスクを最小限に抑えます。
③セキュリティリスク
特に、インターネットに接続されているシステムや、機密情報を扱うシステムは、EOL後にサイバー攻撃の標的となりやすいため、優先的に対応を検討します。
④移行コスト
EOL対応には時間も費用もかかるため、コストに見合うメリットが得られるかを慎重に判断します。
余裕を持って早め早めに計画を立てる
既存システムがEOLを迎える前に、時間に余裕を持ってリプレイス等の計画を立てておく必要があります。
メーカーからEOLが発表された後、すぐにでも計画を立てるのが理想的です。
また、製品やシステムには寿命があるため、導入・運用開始から5年以上が経過したタイミングで、リプレイスの計画を立て始めると良いでしょう。
リプレイスの日程については、繫忙期など業務に大きな支障が出そうな時期は避け、早めに調整を進めておきます。
EOL対応に必要な予算を明確にする
EOL対応に要する費用の見積もりについても、早めに作成しておくことが望ましいでしょう。
一般的に、企業の予算は年度単位で決定されるため、時期によってはすぐに予算が確保できない場合も考えられます。
リプレイス等の実施スケジュールを考慮して、予算の見積もりは早めに作成し、稟議で承認を得ておくと、その後スムーズに作業を開始できます。
8.すでにEOLを迎えた/これからEOLを迎えるソフトウェア
ここでは、2024年にEOLを迎えた、または2025年以降にEOLを迎えるソフトウェアの一例をご紹介します。
(※最新情報は、各メーカーのWebサイトや公式ドキュメント等でご確認ください)
2024年
・CentOS 7:
2024年6月30日サポート終了
・Red Hat Enterprise Linux 7:
2024年6月30日サポート終了
・CentOS Stream 8:
2024年5月31日サポート終了
・MySQL 8.3:
2024年4月サポート終了
・PostgreSQL 12:
2024年11月14日サポート終了
・Oracle Database 19c(12.2.0.3):
2024年4月サポート終了
・Oracle Database 21c:
2024年4月サポート終了
・Microsoft SQL Server 2014:
2024年7月9日延長サポート終了
・Python 3.8:
2024年10月サポート終了
・Ruby 3.0:
2024年3月31日サポート終了
2025年
・Windows 10:
2025年10月14日延長サポート終了
・Microsoft Office 2016:
2025年10月14日延長サポート終了
・Microsoft Office 2019:
2025年10月14日延長サポート終了
・Microsoft Visual Studio 2015:
2025年10月14日延長サポート終了
・Ubuntu 20.04 LTS:
2025年4月サポート終了
・PostgreSQL 13:
2025年11月13日
・IBM Db2 Version 11.5:
2025年10月30日メインストリームサポート終了
・Microsoft SQL Server 2019:
2025年2月28日メインストリームサポート終了
・Python 3.9:
2025年10月サポート終了
・Ruby 3.1:
2025年3月31日サポート終了
2026年
・Microsoft Windows Server 2022:
2026年10月13日メインストリームサポート終了
・Amazon Linux 2:
2026年6月30日サポート終了
・PostgreSQL 14:
2026年11月12日サポート終了
・Microsoft Office 2021:
2026年10月13日メインストリームサポート終了
・Python 3.10:
2026年10月サポート終了
・Ruby 3.2:
2026年3月31日サポート終了
「メインストリームサポート」と「延長サポート」の違い
Microsoft製品では、「メインストリームサポート」と「延長サポート」という2つのサポート期間が設定されています。
「メインストリームサポート」は、製品の発売から最低5年間、セキュリティ更新プログラムのほか、仕様変更や新機能の追加など、幅広いサポートを提供するものです。
一方、「延長サポート」とは、メインストリームサポート終了後、最低5年間提供されるサポートサービスで、脆弱性を解消するセキュリティ更新プログラムのみの提供となります。

CentOS Linux 7(2024年6月30日にサポート終了)
現在、多くの企業で幅広く利用されている無償のLinuxディストリビューション「CentOS Linux 7」(CentOS 7)のサポートが、2024年6月30日に終了しました。
CentOSとは、IBMの子会社でアメリカに本社を構えるRed Hat(レッドハット)社の商用Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」との完全互換を目指したフリーのLinuxディストリビューションです。
ちなみに、前バージョンの「CentOS 6」は2020年11月30日、後継バージョンの「CentOS 8」は2021年12月31日を以て、既にサポートを終了しています。
CentOS 7のサポート切れに伴う対応方法としては、主に次の4つが挙げられます。
1.CentOS Streamへ移行する
「CentOS Stream」とは、CentOSの開発元であるCentOSプロジェクトが、今後CentOSの代わりに開発へ注力する無償利用の可能なディストリビューション。
「テスト中のOS」という位置付けであり、信頼性や安定性については従来のCentOSに比べやや懸念が残る。
社内の基幹システムのように高い安定性を必要とするシステムや、個人情報などの機密性の高いデータを取り扱うシステムには不向き。
2.無償利用可能なRHELクローンを利用する
「AlmaLinux」「Rocky Linux」「MIRACLE LINUX」「Oracle Linux」など、CentOSの後継として名乗りを上げているRHELクローンを利用する方法。
これら4つのRHELクローンは、従来のCentOSと操作方法やパッケージ構成・サポート期間がほぼ変わらないため、移行先の有力候補といえる。
3.RHEL(有償版)へ移行する
今までの無償版のCentOSから、商用Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」を有償利用する方法。
製品・契約レベルにもよるが、24時間サポートや迅速な修正パッチの適用など、無償では使えないサービスが利用できるようになるため、品質や安定性という意味では最も信頼できる。
ただし、有償ライセンスとなるため、今までよりもコスト負担が大きくなる点は注意が必要。
4.CentOSの延長サポートを利用する
さまざまな事情により、EOLまでにOSのリプレイスを行うことが難しい場合は、他社が提供するCentOS 7の延長サポートサービスを利用するという手もある。
延長サポートを利用すると、公式のサポートが終了した後も脆弱性を解消するためのセキュリティパッチが提供されるようになり、サポート切れに伴うセキュリティリスクをある程度軽減することができる。
Microsoft SQL Server 2014(2024年7月9日にサポート終了)
Microsoftが提供するリレーショナルデータベース管理システム「Microsoft SQL Server 2014」は、2024年7月9日にMicrosoft社による延長サポートが終了しました。
延長サポートの終了日にあたる2024年7月9日以降は、セキュリティパッチの提供も含めてすべてのサポートが受けられなくなります。
対応策として、SQL Serverの最新バージョンであり、今までの中でAzureとの対応性が最も高いとされている「Microsoft SQL Server 2022」への移行が推奨されています。
Windows10(2025年10月14日にサポート終了)
「Windows 10」は、2015年にリリースされたMicrosoftのオペレーティングシステムで、発売から約10年後にあたる2025年10月14日にサポートが終了します。
Windows 10は「22H2」が最終バージョンとされており、EOLまでまだしばらくWindows 10の利用を継続する場合は、最新の22H2バージョンでないとサポートが受けられないため注意が必要です。
対応策としては、後継OSである「Windows 11」へのアップグレードが最も現実的ですが、何らかの事情でアップグレードが難しい場合は、「別OS(LinuxやmacOS等)へ移行する」「仮想デスクトップ(Azure Virtual Desktop等)を活用する」といった方法が考えられます。
Microsoft Office 2016・2019(2025年10月14日にサポート終了)
Windows 10と同じく、2025年10月14日にサポート終了するのがMicrosoft Officeの2016と2019です。
Microsoft Office 2016(2019)は、Microsoftから1回限りの購入版として提供されている事務用ソフトウェアで、Word・Excel・PowerPoint・Outlookなどのアプリケーションが含まれています。
1ユーザーあたりPC2台までインストールでき、買い切り版のため一度購入すればそのバージョンをずっと使える代わりに、購入後に新しいバージョンが提供されたとしても、最新版にアップデートすることはできません。
代替策として、サブスクリプション型のクラウドサービスであり、各Officeアプリケーションの自動更新に対応している「Microsoft 365」へ乗り換える方法があります。
Microsoft 365なら、従来の買い切り版と違って、サポート切れを気にすることなく常に最新バージョンのOffice製品を利用できるため、セキュリティ面でも安心です。
Amazon Linux 2(2026年6月30日にサポート終了)
「Amazon Linux 2」は、AWSが提供するLinuxサーバーオペレーティングシステムです。
オンプレミスで使用できる仮想マシンイメージとしても提供されており、ローカルの開発環境にて直接アプリケーションの開発・テスト・動作検証などが行えます。
次バージョンへの十分な移行期間を確保するために、AWS側でサポート期間の延長が行われており、現在は2026年6月30日がサポート終了日となっています。
対応策として、Amazon Linux 2の後継にあたる「Amazon Linux 2023」への移行が推奨されています。
9.EOL対応に関するご相談は、ぜひコンピュータマネジメントへ
いかがでしたでしょうか?
EOLを迎えた製品やサービスには、脆弱性をはじめとするセキュリティリスクや、故障による業務停止のリスクなど、さまざまな脅威が潜んでいます。
そのため、自社で保有する製品がEOLを迎える前に、余裕を持ってリプレイスの計画を立てておくことが重要です。
なお、当社コンピュータマネジメントでは、IE11離脱対応、SQL Server DB移行、CPサイト基盤リプレイスなど、各種EOL対応に携わってきた豊富な実績がございます。
もうすぐEOLを迎える、あるいは既にサポートが終了したハードウェアやソフトウェア、OS、ミドルウェアのバージョンアップ、リプレイス対応にお困りの場合は、ぜひコンピュータマネジメントへご相談ください。
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この記事を書いた人
Y.M(マーケティング室)
2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。