【AWS入門】初心者が知っておくべきAWSの特徴とは?世界シェアNo.1の理由も解説

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AWS(Amazon Web Services)は、通信販売大手Amazonが提供しているクラウドサービスであり、「クラウド業界の絶対王者」として長年にわたり世界No.1に君臨し続けている稀有なサービスです。

 

今回は、AWSの特徴やメリット、代表的なサービス、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platform(GCP)との違いについて改めて整理し、競合他社が激しくひしめき合うクラウド市場において、AWSが今でも絶大な人気を誇っている秘密に迫りたいと思います。

AWSの概要について知りたい方や、AWSの強み・メリットが何か気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

1.AWSとは?

AWSとは、Amazon Web Servicesの略で、ネット通販でお馴染みのAmazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスの総称です。

 

クラウドコンピューティング(クラウド)とは、インターネット経由で「サーバー」「ストレージ」「データベース」「ソフトウェア」といったさまざまなITリソースを利用できる形態のことです。

従来はユーザーが自前でハードウェアの購入やソフトウェアのインストールを行う必要がありましたが、クラウドでは手元に1台のPCとインターネットに接続できる環境さえあれば、わざわざ自分たちでリソースを調達しなくても、必要な時に必要な分だけサービスを利用できます。

 

AWSでは現在、実に200以上もの幅広いサービスが提供されており、ユーザーはこの中から各自構築したいシステムに必要なサービスを自由に組み合わせて使うことができます。

【AWSで利用できるサービスの一例】

・仮想サーバーの構築

・データのバックアップ保存

・データベース運用

・Webサイト運用

・システム開発環境の構築

・ビックデータの解析

・AI(機械学習)機能の利用

・動画や画像などのコンテンツ配信

従来のオンプレミスとの違い

クラウドサービスについて語るうえでよく比較対象とされるのが「オンプレミス」です。

 

オンプレミスとは、サーバーやアプリケーションの設置・設計・構築・運用・保守をすべて自社内で完結させるやり方のことで、十数年前にクラウドサービスが世間に登場するまでは企業で当たり前に行われていたシステム運用方法です。

クラウドと比べると、始めるにも続けるにもやめるにも多大なコストと手間がかかる方法ですが、カスタマイズの自由度は高く、自社の業務特性に合わせてシステムを最適化しやすいという特徴があります。

オンプレミス クラウド 違い

AWSの歴史

AWSは、もともとAmazonが自社のECサイトにおいて商品の在庫管理やデータ分析を行うために構築したITインフラ・アプリケーションの仕組みを、2006年に他社向けに一般公開したのが始まりと言われています。

 

当時はまだ「クラウドコンピューティング」に対する認知度も決して高くはない状況でしたが、MicrosoftやIBMといった競合他社が「成長の見込みなし」とクラウド市場への参入を渋っているうちに、AWSはクラウドのパイオニア的存在として着々とノウハウを蓄積していき、現在では名実ともに世界トップシェアを誇るまでになりました。

世界No.1シェアを誇るAWS

クラウド黎明期から先駆けとして次々と新たなサービスを展開してきたAWSは、現在でも世界トップクラスのユーザー数を誇っており、「世の中で最も使われるクラウドサービス」として確固たる地位を築いています。

 

アメリカの調査会社Canalys(カナリス)によると、直近の2023年3Q時点におけるAWSのシェア率は全体の31%を占めており、2位のMicrosoft Azure(25%)や3位のGoogle Cloud Platform(10%)を抑え、依然として世界トップの座を維持し続けています。

AWSがこれだけ圧倒的なシェアを誇っている一因としては、AWS側からサービスとして最先端の技術が惜しげもなく提供されるため、いち早く新しいテクノロジーを使いたいエンジニアがこぞってAWSに集まり、利用者が増えて市場規模が拡大し、サービス価格が下がってさらに利用者が増える・・・という好循環を生み出していることが大きいと言われています。

2.AWSで何ができる?代表的なサービス

AWSでは、200を超えるサービスを自由に組み合わせることで、さまざまなことが実現できます。

ここでは、よく使われる代表的なサービスを7つご紹介します。

Amazon EC2:Webサイト・各種サーバーの運用

Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、AWS上で仮想サーバーを自由に構築できるサービスです。「Elastic Compute Cloud」と、頭文字にEとC2つが付くことから「EC2」と呼ばれています。

 

AWSの中で最も代表的なサービスの1つであり、主に次のような特徴があります。

・シンプルで使いやすいインターフェース

・画面上の簡単な操作だけで、わずか数分でサーバーを構築できる

・WindowsやLinux、macOSなど、使うOSを自由に選べる

「Elastic=伸縮自在の」という名の通り、拡張性に優れている
┗Webサイトの規模やアクセス数に応じて、CPU・メモリなどの各種スペックを柔軟に変更できる
(※キャンペーン等による一時的なアクセス数増加にも対応可能)
┗複数の仮想サーバーを作り、冗長化することもできる

Amazon S3:データの保管・バックアップ

Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)は、Amazonのサーバーを利用したオンラインストレージサービスの1つです。

Simple Storage Service」と、頭文字Sが3つ並ぶことから「S3」と呼ばれています。

 

Amazon EC2に次ぐAWSの代表的なサービスであり、主に次のような特徴があります。

・保存できるファイルの数や容量、種類が無制限

99.999999999%(イレブン・ナイン)という非常に高い耐久性を誇り、データ消失の心配はほとんどない
┗バックアップやBCP対策用のデータ保管庫としても使える

・データを暗号化して保存することもできる

・静的Webサイトのホスティング機能も兼ね備えており、画像やテキストなどの静的なコンテンツであればインターネット経由で配信できる

Amazon CloudFront:コンテンツ配信

Amazon CloudFrontは、画像や動画、アプリケーションなどを高速かつ高パフォーマンスでユーザーへ配信するコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)サービスです。

 

CDNとは、コンテンツをスピーディーかつ効率的に配信できるようにしたネットワークのことで、画像や動画をはじめとするデジタルコンテンツの大容量化が進み、通信トラフィックが増大することで生じる表示・再生速度の遅延問題などを解消してくれます。

CloudFrontでは、世界各地のおよそ100ヵ所に「エッジサーバー」と呼ばれるCDNのコンテンツ配信用サーバーが設置されており、ユーザーのアクセス位置に最も近いエッジサーバーからコンテンツ配信を行うことで、高速で安定した配信環境を実現しています。

Amazon RDS:データベースの活用

Amazon RDS(Relational Database Service)は、AWS上で利用できるデータベースサービスで、顧客や商品リストなどのデータを効率的に分かりやすく管理できます。

 

RDSの主な特徴は以下の通りです。

「MySQL」「Postgre SQL」「SQL Server」「MariaDB」「Amazon Aurora」「Oracle」の6つのデータベースエンジンの中から好きなものを選んで使うことができる

・OSやミドルウェアの設定、ライセンス管理、バージョン管理等の保守作業はすべてAWSに任せられる

・自動バックアップにも対応しており、デフォルトの保持期間は7日間

AWS Lambda:プログラム実行環境の構築

AWS Lambdaは、オンライン上でプログラムを実行する環境を構築できるサービスです。

プログラムを実行するためのサーバーを用意する必要がないことから、「サーバーレスコンピューティングサービス」とも呼ばれています。

 

主な特徴は以下の通りです。

・サーバーがなくてもプログラムコードを実行できる
┗通常は、プログラムを実行するのにWebサーバー(Apache)やアプリケーションサーバー(Python)、サーバーOS環境(Linux)が必要だが、Lambdaでは不要

・コードさえあればプログラムをすぐに実行できるため、高速アプリケーション開発が可能

・プログラムコードのリクエスト単位で課金されるルールで、100万リクエストまで無料で利用できるため、コスト削減につながる

Amazon CloudWatch:システム監視

Amazon CloudWatchは、AWS上に構築したサーバーやアプリケーションの状態をモニタリングできるサービスです。

 

システム監視にはオープンソースのZabbixといったツールが使われることが多いものの、CloudWatchでは以下のような機能を標準装備しており、組み合わせによっては自分が指定した条件下で特定の作業を実行するよう設定できるため、運用管理の効率化につなげられます。

CloudWatch Logs:ログを保存する

CloudWatch Alarm:アラートを発信する

CloudWatch Events:リソース変更などをイベントとして検出する
・・・組み合わせ次第で運用作業の自動化も可能
例:CPU利用率が90%を超えたらアラートを発し、サーバーを自動的に1台増やす

Amazon Route53:DNS(ドメインネームサービス)機能

Amazon Route53は、AWS上でドメインの登録や管理ができるサービスです。

オンプレミスの場合はDNSサーバーの構築が必要ですが、Route53であればAWSのコンソールから簡単に設定・管理が可能で、サーバーの運用コストを抑えることができます。

 

主な特徴は次の5つです。

可用性100%が保証されており、もしDNSとして使えない時間があった場合は返金を受けられる

・新規ドメイン取得のほかに、既存ドメインの持ち込み登録もできる

・AWS以外で稼働しているサービスのDNS機能としても使える

・ヘルスチェック機能により、登録したWebサイトの状態を監視できる

・障害発生時における正常系から待機系への自動切り替え設定が簡単にできる

3.AWSの特徴・メリット

次に、AWSを利用すると得られるさまざまなメリットについてご紹介します。

低コスト

自社内に物理サーバーを構築するオンプレミスとは異なり、AWSではハードウェアの購入や機器の設置工事などを行う必要がないため、基本的に初期費用はゼロになります。

 

また、AWSは「従量課金制」を採用しており、利用した分だけ費用が発生する料金体系となっているため、月額定額制となっているレンタルサーバーやVPS(仮想専用サーバー)と比べて無駄な費用が発生しにくく、コスト最適化を図りやすいという特徴があります。

継続的な値下げ

AWSでは、2006年のサービス開始から2023年3月現在にいたるまで、実に129回以上もの値下げを実現しています。

 

これほど長年にわたって継続的な値下げを実現できている理由としては、次のようなものがあります。

・利用ユーザーの増加により市場規模が拡大したことで、AWSサーバーの調達コストやインフラの維持コストを大幅に削減できた

・新技術の導入によるサービス最適化を継続的に行うことで、全体的なコスト削減に努めてきた

AWSは、これらのコスト低下分を「値下げ」として定期的にユーザーへ還元しているのです。

無料利用期間がある

AWSには一定期間無料で利用できるサービスも多くあり、アカウントを作成することで誰でもすぐに利用を始められるので、「試しに触ってみたい」「学習してみたい」という方には嬉しいサービス形態となっています。

 

「無料トライアル」「12ヵ月間無料」「無期限無料」と、サービスによって無料利用枠がそれぞれ異なりますので、利用前にしっかりと確認しておきましょう。

無料トライアル:初めてサービスを使う場合は一定期間無料で利用できる

例)
Amazon GuardDuty:30日間無料
Amazon Redshift:2か月無料

12ヵ月無料枠:AWSアカウントを新規作成した日から1年間は無料で利用できる

例)
Amazon EC2:750時間/月無料
Amazon Connect:90分/月無料

無期限無料枠:サービスごとに規定されている上限までは無料で利用できる

例)
Amazon DynamoDB:25GBストレージまで無料
Amazon Lambda:100万/月リクエストまで無料

すぐに使える

オンプレミスでは、サーバーなどの新しいITリソースの調達には、機器の購入や設置工事の関係で少なくとも数週間は必要でしたが、AWSならわずか数分・数クリックでサーバー等を立ち上げることができ、調達スピードは圧倒的な早さを誇ります。

 

利用したいと思った時にはすぐに必要な分だけITリソースを確保できるため、ビジネススピードの加速をより一層支えてくれるでしょう。

拡張性に優れている

AWSは拡張性にも大変優れており、運用状況に合わせてCPU・メモリ・ストレージ容量といった各種スペックを簡単に増減させることができます。

 

自社サービスの拡大や突発的なアクセス数の増加に応じてすぐさまサーバーの台数を増やしたり、CPUやメモリ、ストレージをアップグレードできるのはもちろん、実際の利用量に対してサーバースペックが過剰だと判断した場合はスペックを下げることで、リソースの無駄をなくしコストを最小限に抑えることができます。

運用負荷の軽減

AWSでは「マネージドサービス」と呼ばれるサービスが提供されており、回線・ハードウェアの管理、OSの初期設定、ミドルウェアの監視など、サーバーの運用管理に必要な作業の一部をAWS側に任せることができます。

 

これにより、情報システム担当者のサーバー運用・保守にかかる負担が軽減され、その分本業のシステム企画・開発業務に注力できるなど、人的リソースの有効活用が見込めます。

豊富なサービス

AWSでは、機械学習、ロボット工学、量子テクノロジー、人工衛星などの最先端技術を含む200を超えるサービスが提供されており、他のクラウドに比べても抜きん出てサービスの種類が豊富です。

 

業務を行ううえで必要となる機能は一通り揃えられているため、他社の製品・サービスを組み合わせなくても、AWS内のみで完結させることができます。

サービスの継続的改善

AWSが提供する90%以上のサービス・機能は、ユーザーからのリクエストをもとに実装されており、バージョンアップや機能改修などのアップデートについても、ユーザーからのフィードバックをもとに年間3,000回以上とかなり頻繫に行われています。

 

こうしてユーザーからの声に常に耳を傾けて継続的な機能改善に努めている点こそが、AWSが長きにわたってユーザーから支持を集め続けている大きな一因なのは間違いないでしょう。

強固なセキュリティ

「セキュリティは最優先事項」と明言されているAWSでは、日々高度化・多様化するサイバー攻撃に対して強固なセキュリティレベルを担保しています。

その強固なセキュリティは第三者機関においても認証/認定されており、金融機関や政府機関、医療機関など、非常に厳しいセキュリティ水準が求められる業界にも対応しています。

 

AWS側で常に最新のセキュリティ対策が施されており、そのメンテナンスもAWS側が請け負ってくれることから、ユーザーは安心してサービスを利用することができます。

可用性が高い

AWS はデータセンターを世界中に設置しており、システム障害や大規模災害が起きたとしてもリスク分散できるのが大きなメリットです。

 

万が一障害・災害が発生した場合は、自動的に影響のあったエリアから他のデータセンターに負荷が分散される仕組みになっているため、可用性が非常に高くなっています。

サポートが手厚い

AWSでは、初心者の方でも安心してAWSの設計や構築に携われるよう、サポートプランが充実しています。

 

すべてのAWSサービスが日本語による24時間365日サポートに対応しており、電話やメール・お問い合わせフォームを利用して、いつでも・何回でも相談可能です。

4.AWSのデメリット

利用すると多くのメリットが得られるAWSですが、事前に知っておいたほうが良い注意点もご紹介します。

従量課金制のためコストが読みにくい

先述の通り、AWSは「従量課金制」を採用しており、利用量に応じて料金が変動する仕組みになっています。

そのため、毎月のコストが一定になりにくく、オンプレミスや定額制のサービスと比べて事前に正確な予算を算出しづらいというデメリットがあります。

 

利用状況によっては物理サーバーよりも高額になるケースもあり、クラウドの活用で必ずしもコスト削減につながるわけではない点には注意が必要です。

サービスを使いこなす専門知識が必要

現在、AWSには多種多様な200以上のサービスが用意されており、新機能の追加やアップデートも日々盛んに行われています。

サービスの種類が豊富であるがゆえに、自社に合ったサービスの選定や設計には、それ相応の知識・ノウハウが求められます。

 

また、AWSには独自の概念や考え方が多く登場するため、サービスを使いこなすためには、「AWS認定クラウドプラクティショナー」のようなAWS認定資格の学習を通じて、AWSに関する知識を習得しておく必要があります。

システムダウン時には対応が必要

AWSがサービスメンテナンスを行う際は、システムが一時的に停止されるため、システムダウン時の対応が必要となります。

 

メンテナンスのスケジュールは事前に通知されるので、その時間は別のハードウェアを利用する、あるいは業務時間を変更するといったダウンタイム対応を取りましょう。

トラブル時は基本的に自己解決

AWSは、あくまでもサーバーやストレージ、データベースといったITリソースをインターネット経由で提供するのみで、サービスの利用方法に関する個別のサポートはありません。

 

そのため、システム構築中や運用時に何か問題が発生した場合でも、有料サポートサービスを利用したり、AWSについて深い知見を持っているベンダーへ依頼するなどして、ユーザー自身が適切にトラブルに対処する必要があります。

5.AWSのセキュリティ:責任共有モデル

AWSはセキュリティについて、AWSとユーザーの間でそれぞれ責任を分担すべきとする「責任共有モデル」という考え方を取り入れています。

 

「責任共有モデル」では、AWSはハードウェアなど物理インフラのセキュリティを担当し、ユーザーは自身のデータおよびアプリケーションのセキュリティに責任を持ちます。

AWSとユーザーそれぞれがセキュリティに対する責任を持つ範囲を明確に分けることで、ユーザー側のインフラ運用管理にかかる負担を軽減し、アプリケーションなどのより上位層へのセキュリティ対策に注力できるようになるといったメリットがあります。

AWS側の責任範囲

AWSが責任を負う範囲は、クラウド「の」セキュリティです。

 

具体的には、ハードウェアやネットワーク機器、データセンターなど、AWSが提供する各種インフラの物理的なセキュリティが責任範囲となります。

ユーザー側の責任範囲

一方、ユーザーが責任を負う範囲は、クラウド「内の」セキュリティです。

 

ユーザー側で構築したOSやミドルウェア、アプリケーション、データの暗号化、アクセス権の管理など、インフラ基盤より上のレイヤーに対するセキュリティが責任範囲となります。

6.AWSで覚えておきたい用語

ここでは、AWSを使っているとよく出てくる用語についてご紹介します。

知っておくと、AWSの理解がより深まるでしょう。

リージョン(Region)

リージョン(Region)とは、AWSなどのクラウドサービスにおいて、データセンターが設置されている独立したエリアのことを指します。

例として、「東京リージョン」「シンガポールリージョン」「バージニア北部リージョン」などがあります。

 

AWSを利用する場合は、まずどこのリージョンを使うか決める必要があります。

日本では、「東京リージョン」および「大阪リージョン」が利用可能となっており、海外向けのサイトを運営するといった特別な理由がない限りは、この2つのうちどちらかのリージョンを使うことになります。

 

なお、AWSのリージョンは世界で約30ヵ所存在し、それぞれ別々に独立運用されているため、1つのリージョンに障害が発生しても他のリージョンに影響が及ぶことはありません。

アベイラビリティゾーン(AZ)

アベイラビリティゾーン(AZ)は、リージョン内にある地理的に離れたデータセンターの集まりを指します。

1つのリージョン内は2つ以上のアベイラビリティゾーン(AZ)で構成されており、例えば東京リージョンであれば3つのAZが利用できます。

 

リージョン内のAZ間の距離はおおむね数km~100km以内で、システムの耐障害性を高めるためにAZ間で冗長化構成を組むこともできます。

AWSでも、同一リージョン内の複数のAZを使った冗長化構成が推奨されており、2つのAZを使って構成を組むことを「マルチAZ」、3つのAZを使って構成を組むことを「トリプルAZ」と呼んでいます。

インスタンス(Instance)

インスタンス(Instance)とは、AWS上に立てられた仮想サーバーのことです。

Amazon EC2やAmazon RDSなどで構築された仮想サーバーをカウントする際の単位として用いられます。

 

Amazon EC2では、バランスの取れた「汎用インスタンス」、CPUを最適化した「Cインスタンス」、メモリを最適化した「Rインスタンス」など、多様な種類のインスタンスタイプが用意されており、自分のユースケースに適したものを選ぶことができます。

7.AWS以外のクラウドサービス

世界No.1のクラウドシェアを誇るAWSですが、次いでシェア率が高いのがMicrosoft Azure、3番目に高いのがGoogle Cloud Platform(GCP)です。

 

この3つだけで世界パブリッククラウド市場のおよそ65%を占めることから、まとめて「世界3大クラウドサービス」と呼ばれることもあります。

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスです。

Windowsをベースに構築されたサービスのためMicrosoft製品との親和性も高く、Windowsを利用している企業にとっては非常に使いやすいサービスとなっています。

 

政府機関も重宝するほど堅牢なセキュリティを保持しており、特に中~大企業で多く利用されているクラウドサービスです。

【特徴】

・Windows Serverなど、WindowsベースのITインフラを構築している企業にとって親和性が高い

・サブスクリプションサービスの「Microsoft 365」や、効率良くユーザー管理を行うための「Active Directory」など、各種Microsoft製品との連携もしやすい

【利用が向いているケース】

・オンプレミスでWindows Serverを利用しており、クラウド移行後もWindowsの継続利用を考えている

・クラウドに移行した後も各種Microsoftサービスとの連携を検討している

Google Cloud Platform(GCP)

Google Cloud Platform(GCP)は、Googleが提供するクラウドサービスです。

検索エンジンや広告の最適化など、Googleが自社サービスを運営する中で蓄積したノウハウをもとに、数多くの独自サービスが提供されています。

特に、AI(機械学習)系やデータ分析系のサービスに強みを持っています。

 

クラウドサービスとしては後発で、AWSやAzureと比べてまだまだシェア率は劣るものの、GmailやGoogle mapのような世界で膨大な利用量を誇るサービスを支える基盤として、確かなサービス運用実績を有しています。

【特徴】

・GmailやGoogle mapなど、Googleが提供する各種サービスと同等のインフラを活用したクラウドサービスを利用できる

・Googleが提供する幅広いサービスをもとに構成されており、AI(機械学習)やデータ分析に強いインフラ基盤を備えている

【利用が向いているケース】

・Google workspaceなど、 Googleが提供する各種サービスとの連携を検討している

・AI(機械学習)やデータ分析系の機能を実装したいと考えている

AWS・Azure・GCPの違い

最後に、AWS・Azure・GCPの主な違いを簡単にまとめました。

 

それぞれの特徴や得意分野を把握したうえで、自社に一番合うクラウドサービスを選定するのが成功への近道ではありますが、初めてクラウドを導入する場合には、他2つよりも日本語でのサポートが充実しており、ドキュメント掲載数も多いAWSを選ぶのが無難といえるでしょう。

AWS Azure GCP 違い

8.AWS最大の強みとは?

こうして見てみると、AWSが持つ特徴や強みは数多くありますが、その最たるものが「ユーザーからの声に常に耳を傾け、要望に応じて新機能のリリースや既存サービスの改善を絶えず愚直に繰り返している」点だといえるでしょう。

 

新技術の導入をためらわず、ユーザーの要望に応え続けることで利用者の増加を促し、削減できたコスト分を「値下げ」としてユーザーへ還元し、さらに利用者を呼び込むという戦略がハマり、AWSは今も圧倒的なシェア率でクラウド業界のトップをひた走っているのです。

AWS 人気の理由

9.AWSに関するご相談は、ぜひコンピュータマネジメントへ

当社コンピュータマネジメントでは、脆弱性対応に伴う基盤移行(レンタルサーバーからAWSへの移行)を手がけるなど、AWSにおけるインフラ構築の豊富な知見を有しております。

 

「AWS上でサーバーやネットワーク、システムの構築を行いたいが、サービスの数が多すぎて、自社に合うサービスを選びきれない・・・」など、AWSの活用に関してお困りの点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

Y.M(マーケティング室)

2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。