情シスのマニュアル作成に向いているツールはワード・エクセル・パワーポイントのどれ?

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マニュアルを作成するためのツールには様々なものがありますが、代表的なツールとしてWord, Excel, PowerPointといった身近なOfficeツールを使用している方が多いことでしょう。

しかし、いざ作り始めようとしてどのOfficeツールが適しているか判断がつかず、「社内にある他のマニュアルはExcelが多いし、とりあえずExcelで作っておけば大丈夫かな」とあまり深く考えずにツールを選んだ記憶はありませんか?

 

そこで今回は、マニュアルの作成にあたってどのツールを使えばよいか迷われている方に向けて、それぞれWord, Excel, PowerPointでマニュアルを作成するメリットと、情シスが作成する2種類のマニュアルにはどのOfficeツールを使うべきかご紹介します。

業務マニュアルや運用手順書の作成を任せられた情シス担当者の方は、ぜひご一読ください。

目次

1.Word, Excel, PowerPointでマニュアルを作成するメリット

マニュアルは、多くのPCに標準搭載されており、かつ簡単に低コストで作成できることから、Word, Excel, PowerPointのいずれかで作成するケースがほとんどです。

 

まず、各Officeツールでマニュアルを作成する際のメリットを整理してみましょう。

Wordを使うメリット

誤字脱字や文法エラーの自動チェック機能がある

Wordには文章校正機能が付いており、誤字脱字や表現のおかしな日本語が無いか、自動でチェックすることができます。

この校閲機能の活用により、マニュアルの読者が違和感を覚えないよう、言葉の正しい使い方・用法に気を配りながら文章を書く習慣が身に付きます。

 

Wordの代表的な文章校正機能は次のようになっています。

赤い波線:誤字脱字

青い二重線:表記ゆれ(「サーバー」と「サーバ」 など)

青い二重線:文法エラー
> 「座ってる」・・・「い」抜き
> 「食べれる」・・・「ら」抜き
> 「よく飲んだり歩きます」・・・「~たり」は繰り返して使う
> 「各部署ごとに」・・・「各」と「ごと」で意味が重複している  など

スタイル設定が簡単にできる

Wordでは、タイトル、見出し、段落、リストに適用されるスタイルの書式設定(フォントサイズ、色、テキストのインデントなど)をボタン1つで簡単に変更し、文書全体で一貫した書式のマニュアルを効率良く作成することができます。

 

スタイル設定を適用することで、文章中心でもある程度見やすいマニュアルに仕上げることができ、文章の区切りが明確になって非常に読みやすくなります。

目次の自動作成ができる

スタイルで見出しを設定しておくと、Wordでは目次を自動的に作成することができます。

 

目次を作っておけば読みたい箇所へすぐにジャンプできるため、検索性が上がって読者はマニュアルを活用しやすくなるほか、内容に変更があった場合でも最新のページに合わせて目次を自動的に更新することができます。

印刷がしやすい

Wordでは、基本的に画面上で見えている状態とプリントアウトした状態が同じになるため、印刷範囲を細かく気にしなくて済みます。

 

プリントアウトして紙でじっくりマニュアルを読み込みたい時や、PC・スマートフォン等にWordが入っていないために画面からマニュアルを参照できず、どうしても紙で見る必要がある場合に、すぐに印刷できて便利です。

Excelを使うメリット

関数を用いたデータの取り扱いが簡単

Excelは「表計算ソフト」という名の通り、作成した表(データ)をもとにグラフを作成したり、関数を用いて自動計算を行ったりすることができます。

 

そのため、売上や在庫、顧客データの集計など、データを取り扱う場面が多いマニュアルを作成する際に向いています。

図形や画像を簡単に挿入できる

Excelでは、矢印や吹き出しといった図形、PC画面のスクリーンショットのような画像を任意の場所へ自由に挿入することができます。

 

適宜イラストや画像、図形、表組、グラフなどを入れるようにすると、格段に読みやすいマニュアルが出来上がります。

表の先頭行や先頭列を固定できる

縦方向や横方向に長い表を作成した際、表をスクロールすると見出し行や列が画面上から見えなくなって不便に感じたことはありませんか?

 

Excelには、スクロールしても見出し項目を画面上に常に表示しておける「ウィンドウ枠の固定」という特有の機能が付いており、ノートPCのような小さなディスプレイでも効率的に作業を進めることができます。

1つのファイルに複数のシートを入れられる

Excelの大きな特徴の1つとして、単一ファイルの中に複数のシートを作成できる点があります。

 

作業工程ごとにシート分けを行うことで、作成者にとってはシートを使って情報を整理しやすくなるほか、読者にとってもどの部分を参照すべきか一目で分かり便利です。

PowerPointを使うメリット

視覚的に分かりやすいコンテンツを作れる

PowerPointは本来プレゼンテーション用のツールであることから、図表やグラフ、画像などを簡単に挿入して視覚的に優れた読みやすいマニュアルを作成することができます。

 

特に、文字だけではどうしても伝えにくい内容を図や画像素材を使って表現する場合には、絶大な効果を発揮します。

ページの構成が比較的自由に決められる

PowerPointはスライド形式で、ページの追加・削除や順番の入れ替えを比較的自由に行える点が特徴です。

 

そのため、既存スライドを修正するだけでなく、1ページまるまる差し替えるといった対応も可能であり、マニュアル運用後に内容の変更がしやすいというメリットがあります。

内容をコンパクトにまとめやすい

PowerPointは、1枚あたりの大きさに制限のあるスライド上に内容を追加していくという性質上、あれもこれもと要素を詰め込んで情報量が多くなると、かえって読み手の負担が増えてスムーズな理解を妨げてしまいます。

 

逆に言えば、スライドに上下左右のサイズ制限があるからこそ徹底して情報を絞り込みやすく、読み手に要点が伝わるマニュアルを作成できるといえます。

2.情シスが作成すべき2種類のマニュアル

次に、情シスが作成すべき2種類のマニュアルについて見ていきましょう。

情シス内向け:業務マニュアル

1つ目は、情シスメンバー向けに業務プロセス全体の作業手順を記載した「業務マニュアル」です。「業務マニュアル」を作成することで業務の属人化リスクを解消し、業務品質の均一化を図ることができます。

 

異動や退職等でメンバーの入れ替わりがあっても業務を滞りなく遂行できるよう、業務マニュアルには以下の内容を盛り込んでおくのが良いとされています。

・業務プロセス全体の作業手順のフローチャート

・必要な作業一覧(例外的なケースも含む)

・作業の目的と内容(誰が、いつ、何を、なぜ行うのか?)

・作業時のポイントや注意点

・業務に必要な知識(業務上のルールや専門用語の意味など)

・トラブル発生時の対応方法

社員向け:各種ITツールの運用手順書

2つ目は、社員向けに各種ITツールの使い方を記載した「運用手順書」です。

ソフトウェアのインストール手順書やシステムの設定・使用手順書、Office移行手順書などがこれにあたります。

 

手順書とは本来、記載してある内容通りに作業を行えばどんな人でも同じ結果を得られるものとされており、ベテラン・未経験に関わらず誰が見ても理解できる内容であることが求められます。

手順書を見て誰もが作業をミスなく正確に実施できるようになれば、ヘルプデスク問い合わせ対応業務の負担軽減にもつながります。

3.情シスのマニュアル作成にはどのOfficeツールを使うべき?

ここからは、先にご紹介したWord, Excel, PowerPointでマニュアルを作成する際のメリットをもとに、情シスが作成すべき業務マニュアルや運用手順書にはどのOfficeツールを使うべきか考えてみたいと思います。

業務マニュアル:目次が作れるWordがおすすめ

情シスの業務マニュアルを作成するなら、目次を自動で作成・更新できるWordがダントツでおすすめです。

必要な情報をすぐ手に入れられる

情シスの業務は多岐にわたり、内容がてんこ盛りのマニュアルを最初から最後までじっくりと読み込んでいる時間的余裕はほぼありません。

業務多忙な情シス担当者がマニュアルを活用するとしたら、業務で何か分からないことがあった時や、イレギュラーな事態に遭遇して早急に対応方法を知りたい時など、必要に迫られた場面が多いと考えられます。

 

そのため、マニュアル内の特定箇所へ素早くジャンプできる目次機能は、担当者が抱える疑問の早期解決を促し、作業時間の短縮を実現する上で必須といえるでしょう。

全体像が分かりやすくなる

情シスの業務マニュアルは、前述のように「調べ物」を行うタイミングだけでなく、前任者からの引き継ぎを受ける時や、配属されたばかりの新人が一連の業務内容を確認したい時などにも使用されるケースがあります。

 

このように、一から順番にマニュアルの中身に目を通していく場合でも、目次があるだけで全体の構成が目に見えて分かり、内容が読者の頭に入りやすくなるという利点があります。

修正・更新作業が行いやすくなる

全体の構成が優れているマニュアルは、区切りが不明瞭でダラダラと長い文章が続いているマニュアルよりも、内容に手を加えやすいです。

 

変更しにくいからという理由でマニュアルの更新が滞ってしまうと、業務の実態とかけ離れて作業ミスを誘発する恐れがあります。せっかく作ったマニュアルが長く活用されるためにも、目次の整備は不可欠です。

運用手順書:内容を簡潔に書けるPowerPointがおすすめ

経験談からすると、社員向けの各種ITツール運用手順書はExcelで作られるケースが非常に多いのですが、誰もがミスなく確実に作業を完遂できるように手順書を作成するなら、情報の詰め込みを防げるPowerPointのほうが適していると考えられます。

1枚のスライドにつき1手順で分かりやすく記載できる

通常、手順書には1, 2, 3, 4・・・と番号が振られており、社員は手順書に貼付してある画像と実際のディスプレイ画面を見比べながら、1ステップずつ順番に作業していきます。

 

順番が決まっているのなら、1枚目のスライドには1の手順を、2枚目のスライドには2の手順を・・・というように、1スライドにつき1手順を記載することで手順の区切りが明確になり、読み手側は作業を実施しやすくなります。

情報が絞られて作成者の意図が正しく伝わりやすい

設定作業をミスなく正確に実施してもらうためには、読み手側の認識違いが発生しないよう、不要な情報は極力排除し、簡潔に手順を記載する必要があります。

 

その点PowerPointは、他のOfficeツールと違い文章を多く書けないことから、回りくどい表現の使用を自然と避けることができ、作成者の意図が読み手に対して明確に伝わりやすくなります。

4.まとめ -各Officeツール特有のメリットを存分に活用しよう

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、情シスの業務マニュアルは目次の自動作成により様々な恩恵を受けられるWord、社員向けの運用手順書は長文にならず読み手に要点が正しく伝わりやすいPowerPointがおすすめであるとご紹介しました。

社員に少しでも「読みやすい」と感じてもらえるように、また力を込めて作ったマニュアルが社内で長く活用されるように、ぜひ各Officeツール特有のメリットを踏まえたマニュアル作りを検討してみてください。

 

なお、「IT人材が不足していて、マニュアルの作成にまで手が回らない・・・」という企業様向けに、当社では情シス支援サービス「IONイオン」を行っております。

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この記事を書いた人

Y.M(マーケティング室)

2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。