最終更新日:2026年5月27日
近年、ソフトウェアやネットワーク機器の「脆弱性」を狙ったサイバー攻撃が急増しており、情報システムのセキュリティ確保は、企業にとって経営上の重要課題となっています。
特に、日々新たに発見される脆弱性へ迅速に対応し、サイバー攻撃のリスク低減を図る「脆弱性管理」は、情報漏えいやシステム停止などの重大な被害を防ぐために欠かせない取り組みです。
しかし実際には、限られた人員や時間の中で、すべての脆弱性に対して漏れなく対応することは容易ではありません。
そのため、企業には自社への影響度やリスクを見極めながら、優先順位を付けて対策を進めることが求められます。
今回は、脆弱性管理の基本的な概念や重要性をはじめ、実践的なライフサイクルの手順からよくある課題の解決策までを詳しく解説します。
自社のセキュリティ体制を見直し、より強固な基盤を構築するための参考にしてみてください。
「入口対策」(侵入を防ぐ)「内部対策」(被害拡大を防ぐ)「出口対策」(漏えいを防ぐ)
「多層防御」によるセキュリティ強化を実現します
現代のサイバー攻撃は巧妙化・高度化しており、すべての攻撃を100%防ぐことは困難です。
企業には、「入口・内部・出口」という3つの領域で複数のセキュリティ対策を組み合わせ、被害を最小限に抑える『多層防御』の考え方が求められています。
当社では、この多層防御の考え方に基づき、以下3つのアプローチでお客様のセキュリティ対策をご支援します。
- 脆弱性管理
(入口・内部対策)
- 脅威ハンティング
(内部対策)
- 情報漏えい対策
(出口対策)
目次
1.脆弱性管理とは
脆弱性管理とは、組織内の情報システムやネットワークに存在するセキュリティ上の弱点を発見し、評価したうえで適切な対策を継続的に行う一連のプロセスのことです。
単にシステム上の欠陥を見つけるだけではなく、ビジネスへの影響度を考慮して優先順位を付け、修正プログラムの適用によって安全な状態を保つまでの一連の流れを含みます。
日々の業務で使用しているOSやアプリケーションには、プログラムの不具合や設計上のミスによって予期せぬ脆弱性が常に発生する可能性があります。
これらの脆弱性を放置することなく、網羅的かつ継続的に管理する仕組みを構築することが、企業のシステムを守るための第一歩となります。
脆弱性管理の目的と重要性
脆弱性管理の最大の目的は、悪意を持った攻撃者に付け込まれる隙をなくし、セキュリティインシデントの発生を未然に防ぐことです。
攻撃者は常に新しいシステムの欠陥を探し出しており、企業側の対応が少しでも遅れてしまうと、たちまち不正アクセスの標的となります。
したがって、自社のシステム環境にどのような弱点が潜んでいるのかを常に把握し、迅速に対策を講じることは、事業活動を継続するうえで極めて重要です。
また、適切に脆弱性を管理していることは、顧客や取引先に対して「信頼できる安全な企業」であることの証明にもつながります。
脆弱性診断との違い
脆弱性管理と混同されやすい言葉に「脆弱性診断」があります。
脆弱性診断とは、特定のタイミングでシステムやアプリケーションに潜む弱点を検査するもので、いわば「点」のセキュリティ対策です。
一方で脆弱性管理は、新たな脆弱性情報の収集・リスク評価・パッチ適用のサイクルを絶え間なく回し続ける「線」のセキュリティ対策といえます。
脆弱性診断によってシステムの問題点を洗い出すことは非常に重要ですが、診断を一度実施しただけでは、日々新たに発見される脆弱性には対応できません。
診断結果を適切に管理し、その後の対策や改善につなげていく継続的な運用プロセスがあってこそ、システムの安全性を維持することができます。
| 用語 | 概要 | 実施のタイミング |
|---|---|---|
| 脆弱性管理 | システムの弱点を継続的に発見、評価、対処、改善する包括的なライフサイクル | 日常的・継続的 |
| 脆弱性診断 | ツール診断または専門家による手動診断により、特定の時点でシステムに脆弱性が存在しないかを調査 | 定期的(年1回~数回)やシステムリリース前 |
| ペネトレーションテスト | 悪意のある攻撃者の視点から実際にシステムへの侵入を試み、耐性を検証するテスト | 定期的、または重要なシステム変更時 |
2.脆弱性管理が求められる背景
近年、企業において脆弱性管理の重要性が高まっている背景としては、次のような要因があります。
| 要因 | 企業への影響 |
|---|---|
| サイバー攻撃の高度化・多様化 | 未知の脆弱性を狙った攻撃が増加し、情報漏えいや業務停止などの被害リスクが高まっている |
| IT資産の増加・クラウド利用の拡大 | テレワーク普及やクラウド利用の拡大により、管理対象となるIT資産が増加・複雑化し、脆弱性の把握や適切な管理が難しくなっている |
サイバー攻撃の高度化・多様化
サイバー攻撃の手法は年々高度化し、かつ多様化しています。
特に、ランサムウェア攻撃や標的型攻撃では、組織のシステムやネットワークに残されたわずかな脆弱性が狙われ、侵入経路として悪用されるケースが多くなっています。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が毎年公表する「情報セキュリティ10大脅威」でも、脆弱性を悪用した攻撃は常に上位にランクインしており、2026年には4位となりました。
さらに近年では、公開されたばかりの脆弱性情報を悪用し、企業が修正パッチを適用する前に攻撃を仕掛ける「ゼロデイ攻撃」も増えています。
こうした高度な脅威に対抗するためには、日頃からシステムの脆弱性を把握し、迅速に対応できる管理体制の構築が不可欠です。
IT資産の増加・クラウド利用の拡大
企業が保有するIT資産の増加も、脆弱性管理の重要性が高まっている大きな要因の1つです。
テレワークの定着により、従業員が自宅や外出先で多様なデバイスを使用する機会が増えました。
さらに、業務効率化を目的としたクラウドサービスの導入やIoT活用の拡大によって、企業のIT環境はますます複雑化しています。
これにより、情報システム部門が把握しきれていない端末やSaaSなどの「シャドーIT」が増加するリスクも高まっています。
管理の目が行き届かない端末やシステムは、アップデートが適用されずに古い状態のまま放置されることが多く、攻撃者にとって格好の標的となります。
そのため、すべてのIT資産を可視化し、それぞれに適切なセキュリティ対策を講じることが強く求められています。
3.脆弱性を放置する具体的なリスク
システムの脆弱性を放置することは、企業にとって非常に大きなリスクを伴います。
サイバー攻撃を受けた場合の影響は、一時的なシステム障害にとどまらず、企業の信用や事業継続にも大きなダメージを与えかねません。
| 発生しうるリスク | 概要 | ビジネスへの直接的な影響 |
|---|---|---|
| 情報漏えい・データ改ざん | 顧客情報や機密データが外部へ流出、または不正に書き換えられる | 損害賠償の発生、行政指導、競争力の低下 |
| 業務停止 | ランサムウェアなどによってシステムが利用不能になる | 売上減少、復旧コストの増加、業務遅延 |
| 社会的信用の失墜 | セキュリティ対策が不十分な企業として報道され、企業イメージが悪化する | 顧客離れ、取引停止、株価下落 |
情報漏えいやデータ改ざんの発生
システムの脆弱性を突かれてネットワーク内部に侵入されると、顧客の個人情報や企業の機密情報が盗み出される危険性が高まります。
また、データベース内の重要な情報が不正に改ざんされるケースも少なくありません。
情報漏えいが発生した場合、被害を受けた顧客に対する損害賠償や、原因調査・システム復旧対応などに、数百万~数億円規模の莫大なコストがかかる可能性があります。
さらに、競合他社に技術情報や営業秘密が渡ってしまえば、自社の競争力低下にもつながりかねません。
業務停止による経済的損失
ランサムウェアによる攻撃を受けると、社内のPCやサーバー内のデータが暗号化され、業務が完全に停止してしまうことがあります。
製造業であれば工場の生産ラインがストップし、小売業であれば店舗での決済が不可能になるなど、その影響は計り知れません。
システムが復旧するまでの間、企業は本来得られるはずだった利益を失うことになり、大きな機会損失も発生します。
加えて、復旧作業や専門家によるフォレンジック調査には、多額の費用と長い時間が必要となり、企業経営に深刻なダメージを与えます。
企業の社会的信用の失墜
セキュリティインシデントが発生した場合、企業が失うのはデータや金銭だけではありません。
これまで長い時間をかけて築き上げてきた顧客や取引先からの信頼が一瞬にして崩れ去ることになります。
一度情報漏えいが起きると、その事実はニュースやSNSなどを通じて瞬く間に広まり、「セキュリティ管理が甘い企業」というレッテルを貼られてしまいます。
その結果、既存顧客の離反のみならず、新規顧客の獲得も困難になり、ビジネス面にも深刻な影響が及びます。
さらに、取引先からはサプライチェーン上のリスクと判断され、取引停止や契約解除を通告される可能性も十分に考えられます。
「入口対策」(侵入を防ぐ)「内部対策」(被害拡大を防ぐ)「出口対策」(漏えいを防ぐ)
「多層防御」によるセキュリティ強化を実現します
現代のサイバー攻撃は巧妙化・高度化しており、すべての攻撃を100%防ぐことは困難です。
企業には、「入口・内部・出口」という3つの領域で複数のセキュリティ対策を組み合わせ、被害を最小限に抑える『多層防御』の考え方が求められています。
当社では、この多層防御の考え方に基づき、以下3つのアプローチでお客様のセキュリティ対策をご支援します。
- 脆弱性管理
(入口・内部対策)
- 脅威ハンティング
(内部対策)
- 情報漏えい対策
(出口対策)
4.脆弱性管理のライフサイクルと手順
日々新たな脆弱性が発見される中、一度きりの診断や場当たり的なパッチ適用だけでは、十分な対策とはいえません。
脆弱性管理では、IT資産の把握からリスク評価、修正対応、監視までの一連のプロセスを継続的に繰り返し、常に最新の脅威に対応できる状態を維持しておくことが重要です。
一般的な脆弱性管理のライフサイクルは、大きく分けて以下5つの手順で構成されます。
手順1:自社のIT資産を正確に把握する
脆弱性管理の第一歩は、自社にどのようなIT資産が存在しているのかを正確に把握することです。
PCやサーバーといったハードウェアはもちろん、インストールされているOSやアプリケーション、ネットワーク機器、クラウド環境も含め、網羅的に可視化する必要があります。
システム構成やバージョン情報を把握できていなければ、新たな脆弱性が公開されても、自社に影響があるかどうかを正しく判断できません。
そのほか、企業の管理下にない「シャドーIT」の存在は、重大なセキュリティリスクにつながります。
定期的な棚卸しを行い、正確な資産台帳を作成して最新の状態に維持することがすべての土台となります。
手順2:脆弱性情報の収集・検知を行う
IT資産の把握が完了したら、次は自社システムに関連する脆弱性情報を収集します。
JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)やソフトウェアベンダーが公開するセキュリティ情報、JVNやNVDなどの脆弱性データベースを活用し、最新の脆弱性情報をいち早くキャッチできる体制を整えることが重要です。
併せて、脆弱性スキャナーや診断ツールを用いて、自社環境に既知の脆弱性や設定ミスが残っていないかを確認します。
最新情報の収集と脆弱性スキャンを組み合わせることで、脆弱性の見落とし防止につながります。
手順3:リスク評価・優先順位付けを行う
脆弱性を発見した後は、それぞれが自社にとってどの程度の脅威となるかを評価します。
すべての脆弱性に即座に対応できれば理想的ですが、実際には時間や人員などのリソースに限りがあります。
そのため、CVSS(共通脆弱性評価システム)などの指標を参考に、危険度や悪用のされやすさを分析し、対応の優先順位を決定します。
特に、重要データを扱うシステムや、外部からアクセス可能になっている公開サーバーなど、ビジネスへの影響が大きく、悪用される可能性が高いものから優先的に対応することが重要です。
手順4:パッチ適用などの対応を実施する
リスク評価に基づいて優先順位を決定した後は、実際に脆弱性を解消するための具体的な対応を実施します。
最も一般的な方法は、ソフトウェアベンダーが提供する修正プログラム(パッチ)やバージョンアップを適用することです。
ただし、パッチを適用することでシステムに不具合が生じる可能性もあるため、事前にテスト環境で動作確認を行うことが推奨されます。
修正パッチが提供されていない場合や、すぐに適用できない事情がある場合は、ファイアウォールによる通信遮断やWAFの導入など、代替となる回避策を講じてリスク低減を図ります。
手順5:対応結果を検証し継続的に改善する
対応が完了した後は、脆弱性の再スキャンなどを実施し、修正内容が正しく適用されているかを検証します。
併せて、「いつ・誰が・どのような対策を実施したか」を記録として正確に残しておくことも重要です。
対応の経緯を記録しておくことで、将来的に同様の脆弱性が再発した際の参考となるほか、監査対応や経営層への報告時にも役立ちます。
そのほか、一連のプロセスが完了した段階で、情報収集に遅れはなかったか、パッチ適用の手順に問題はなかったかなど、運用上の課題を振り返ることも重要です。
発見した課題を次のサイクルに反映させることで、脆弱性管理の体制を継続的に改善し、より強固なセキュリティ運用につなげられます。
5.脆弱性管理におけるよくある課題
脆弱性管理の重要性や基本的な手順を理解していても、実際に企業内で運用を開始すると、さまざまな障壁にぶつかることが少なくありません。
脆弱性管理のライフサイクルを継続的に回し続けるためには、現場で発生しやすい課題を事前に把握し、適切に対策していくことが重要です。
多くの企業が共通して抱えやすい代表的な課題として、以下のようなものが挙げられます。
| よくある課題 | 主な原因 | 運用に与える影響 |
|---|---|---|
| 管理対象が多すぎる | クラウドやテレワークの普及により、利用するデバイスやシステムが急増している | IT資産の全体像が掴めず、パッチの適用漏れが発生しやすくなる |
| 情報が膨大で対応しきれない | 日々大量の脆弱性が発見され、セキュリティアラートが鳴り止まない | 重要な脅威を見逃し、不要な対応に工数を取られる |
| 専門人材が不足している | セキュリティに関する高度な知識を持つ人材の確保・育成が難しい | リスク評価や対応判断が属人化し、運用が安定しない |
管理対象のシステムが多すぎる
企業規模が大きくなるにつれて、社内で利用されるPCやサーバー、ネットワーク機器などのIT資産は増加していきます。
また、各部門が独自に導入したクラウドサービスやツールも加わることで、情報システム部門による全体把握がますます困難になっています。
特に、手作業やExcelによる資産管理では情報の更新が追いつかず、実態と管理台帳の間にズレが生じやすくなります。
結果として、脆弱性が存在する古いバージョンのシステムが放置され、そこから攻撃者に侵入されるリスクが高まります。
脆弱性情報が膨大で対応しきれない
世の中では、毎日数え切れないほどのソフトウェアの脆弱性が次々と発見されています。
情報収集のアンテナを広く張ることは大切ですが、収集した情報量が多すぎると、どの脆弱性から優先的に手を付ければよいのか判断が難しくなります。
特に、深刻度の低い脆弱性まで含めてすべてに対応しようとすると、担当者の業務負荷が限界を超え、運用が回らなくなるケースも少なくありません。
膨大な脆弱性情報の中から、自社の環境において本当に危険なものだけを抽出する仕組みがないと、重要なパッチ適用が後回しになり、致命的なセキュリティインシデントに発展する可能性があります。
専門的な知識を持つ人材が不足している
脆弱性管理には、ネットワークの構成やOSの仕様、最新の攻撃手法に関する幅広い専門知識が求められます。
しかし、多くの企業ではセキュリティ専任の担当者を配置できておらず、情報システム部門の担当者が他の業務と兼任しているケースが多いのが実情です。
また、脆弱性の危険度を正しく評価し、システムへの影響を踏まえて対応方針を決定できるスキルを持った人材は、市場全体でも不足しています。
知識不足により適切な判断が下せないと、対応の遅れや不要なシステム停止を引き起こすなど、運用面でさまざまな問題が生じやすくなります。
「入口対策」(侵入を防ぐ)「内部対策」(被害拡大を防ぐ)「出口対策」(漏えいを防ぐ)
「多層防御」によるセキュリティ強化を実現します
現代のサイバー攻撃は巧妙化・高度化しており、すべての攻撃を100%防ぐことは困難です。
企業には、「入口・内部・出口」という3つの領域で複数のセキュリティ対策を組み合わせ、被害を最小限に抑える『多層防御』の考え方が求められています。
当社では、この多層防御の考え方に基づき、以下3つのアプローチでお客様のセキュリティ対策をご支援します。
- 脆弱性管理
(入口・内部対策)
- 脅威ハンティング
(内部対策)
- 情報漏えい対策
(出口対策)
6.効果的な脆弱性管理を実現するポイント
先述した課題を解決し、限られたリソースの中で効率的に脆弱性管理を行うためには、明確な運用ルールの整備や自動化ツールの導入、外部リソースの活用が重要です。
| 解決のポイント | 実施する具体的な内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 明確な基準を設ける | システムの重要度やCVSSスコアをもとに、対応期限や優先順位をルール化する | 判断のバラつきを防ぎ、重大な脅威へ迅速に対応できる |
| 自動化ツールを導入する | IT資産の検出、脆弱性スキャン、パッチ適用などを自動化する | 手作業によるミスや漏れを防ぎ、担当者の運用負荷を削減できる |
| 外部ベンダーを活用する | マネージドセキュリティサービス(MSS)などに監視・運用業務を委託する | 専門家の知見を取り入れ、自社に不足しているリソースを補完できる |
社内で脆弱性対応の基準を統一する
膨大な数の脆弱性に効率良く対応するためには、あらかじめ社内で明確な対応基準を定めておくことが重要です。
例:
- CVSSスコアが9.0以上の緊急性が高い脆弱性は、24時間以内に最優先で対応
- インターネット公開サーバーに存在する脆弱性は、2~3日以内に対応
- 社内利用のみのシステムに存在する軽微な脆弱性は、次回の定期メンテナンス時に対応
担当者個人の判断ではなく、CVSSスコアや公開範囲、業務影響などの客観的な指標をもとに優先順位を決定することで、組織全体で安定した脆弱性対応を実現できます。
自動化ツールを導入して工数を削減する
手作業による情報収集やパッチ適用には限界があるため、脆弱性管理ツールを活用し、可能な限り一連の運用プロセスを自動化するのもおすすめです。
例えば、ネットワーク上のデバイスを自動で検出し、最新の脆弱性情報と照合して脆弱性を可視化できるツールを導入すれば、IT資産管理やリスク評価にかかる工数を大幅に削減できます。
また、パッチ管理機能を備えたツールを活用すれば、管理画面から対象の端末に一括で修正プログラムを適用でき、対応漏れの防止や運用負荷の軽減にもつながります。
専門の外部ベンダーを活用する
自社だけで脆弱性管理のライフサイクルをすべて回すことが難しい場合は、セキュリティを専門とする外部ベンダーの力を借りるのも有効な手段です。
専門家が自社に代わってシステムの監視や脆弱性の評価を行い、必要な対策を提案してくれるサービスを利用することで、限られたリソース内でも高度なセキュリティレベルを維持しやすくなります。
外部の知見を継続的に取り入れることで、最新の脅威トレンドを把握しやすくなるほか、社内のセキュリティ意識向上やインシデント発生時の迅速な初動対応にもつながります。
7.企業の脆弱性管理に関する取り組み事例
実際に脆弱性管理体制を強化し、成果を上げている企業の事例を知ることは、自社のセキュリティ運用を見直すうえで大きな参考になります。
ここでは、当社の脆弱性管理サービスの導入・運用支援によって、セキュリティ体制の強化や運用改善につながった事例を2つご紹介します。
事例1:大手情報通信会社様
- 課題・背景
2022年3月末、外部からMalicious Scan、Nessus Scan、log4shellを悪用した攻撃試行を観測。
攻撃者に脆弱性情報が漏れている懸念があった。
- 実施した対策
脆弱性管理ツール「Tenable Vulnerability Management」を活用し、攻撃者目線の脆弱性調査と結果の報告を優先的に実施。
後日、Webアプリケーションの脆弱性スキャンも追加で実施。
- その後の運用状況
2022年6月以降、「Tenable Vulnerability Management」を本格導入し、継続利用中。
事例2:大手金融会社様
- 課題・背景
既存の脆弱性管理ツールを十分に活用できておらず、脆弱性対策の強化やSOC運用改善が課題となっていた。
要員不足の影響もあり、改善検討が思うように進んでいなかった。
- 実施した対策
「Tenable Vulnerability Management」の導入・運用支援を実施。
最初の3ヵ月でユーザー設定やスキャナー導入などの初期構築を行い、その後はお客様SOCチームの一員として、スキャン実施から脆弱性対応まで継続的な運用支援を行っている。
また、定期的な情報共有を通じて、SOC運用品質の向上にも取り組んでいる。
- その後の運用状況
2023年11月より導入を開始し、2024年2月以降はSOC運用支援を継続実施中。
補足:Tenable Vulnerability Managementとは
Tenable Vulnerability Management(旧称:Tenable.io)は、IT資産の可視化から脆弱性の検出、リスク評価、優先順位付け、継続的な監視までを自動化するクラウド型の脆弱性管理プラットフォームです。
主な特徴としては次の通りです。
- 幅広いIT資産に対応
PC、サーバー、ネットワーク機器だけでなく、クラウド環境やWebアプリケーション、IoT機器など、幅広いIT資産に対して脆弱性スキャンを実施できます。
- 精度の高い脆弱性スキャン
Tenable製品に搭載されている「Nessus」スキャナーにより、高精度な脆弱性検出が可能です。
誤検知を抑えながら、リスクの高い脆弱性を効率良く把握できます。
- 独自のVPR指標による優先順位付け
Tenable独自の「VPR(Vulnerability Priority Rating)」指標により、今後実際に悪用されるリスクが高い脆弱性を特定できます。
CVSSスコアだけでは判断しきれない“実際の攻撃リスク”を踏まえて対応の優先順位を可視化できる点が特徴です。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか?
脆弱性管理は、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃から、企業の情報資産や社会的信用を守るために欠かせない取り組みです。
自社のIT資産を正確に把握し、リスクを適切に評価したうえで、継続的に対策・改善を行う運用体制の構築が重要となります。
また、脆弱性はシステムを運用する限り発生し続けるため、一度対策を実施して終わりではありません。
IT資産の把握、脆弱性情報の収集、リスク評価、修正対応、改善といったライフサイクルを継続的に回し続けることで、実効性のあるセキュリティ対策につながります。
しかし実際には、「脆弱性情報が多すぎて対応しきれない」「専門のセキュリティ人材が不足している」といった課題を抱える企業も少なくありません。
当社コンピュータマネジメントでは、「Tenableによる脆弱性管理代行サービス」を通じて、脆弱性の可視化からリスク評価、継続的な運用支援まで一貫してサポートしています。
- 脆弱性管理を始めたいが、何から着手すべきか分からない
- どの脆弱性情報が自社に関係するのか判断できない
- 脆弱性対応のルールや基準を整備できていない
- 限られた人員で効率良く脆弱性管理を行いたい
- 監査や取引先から脆弱性管理体制の強化を求められている
- セキュリティ専任人材が不足しており、運用が回らない
など、脆弱性管理に関して1つでも当てはまる課題がございましたら、ぜひお気軽に当社までご相談ください。
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企業には、「入口・内部・出口」という3つの領域で複数のセキュリティ対策を組み合わせ、被害を最小限に抑える『多層防御』の考え方が求められています。
当社では、この多層防御の考え方に基づき、以下3つのアプローチでお客様のセキュリティ対策をご支援します。
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この記事を書いた人
Y.M(マーケティング室)
2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。





