EDR製品の切り札!Microsoft Defender for Endpointとは?

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近年、ランサムウェアや標的型攻撃などの「高度化するサイバー攻撃」により、従来のウイルス対策ソフトだけでは攻撃を未然に防ぎきれないケースが増えています。

こうした状況を踏まえ、完全な防御は不可能であるという前提に立ち、侵入後の「検知」や「対応」を迅速に行い、被害を最小限に抑えることを目的としたEDR(Endpoint Detection and Response)の導入が強く注目されています。

 

中でも、Microsoftが提供する「Microsoft Defender for Endpoint」は、AI・機械学習を活用した攻撃の分析や、脅威の検出・調査・対応の自動化など、高度な機能を活用して組織全体のセキュリティを強化できます。

従業員数300人以下の中小企業向けには、機能とコストのバランスに優れた「Microsoft Defender for Business」も提供されています。

 

そこで今回は、Microsoft Defender for Endpointの導入メリットや主な機能、中小企業向けに提供されるMicrosoft Defender for Businessとの違いについて詳しく解説します。

Microsoft Defender for Endpoint / Businessの導入を検討している情報システム担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.エンドポイントセキュリティの重要性

「エンドポイント」とは、ネットワークに接続された端末や機器のことで、具体的にはPCやスマートフォン、タブレット端末、サーバー、プリンターなどが当てはまります。

こうした「エンドポイント」や、それらの端末に保存された情報をサイバー攻撃から守るための対策が「エンドポイントセキュリティ」です。

 

クラウドサービスの普及や働き方改革によるリモートワークの拡大、エンドポイントとなる端末の多様化、サイバー攻撃の高度化・巧妙化により、近年は「エンドポイントセキュリティ」の重要性がますます高まっています。

EDRとは?

エンドポイントセキュリティの一環としてよく挙げられるのが「EDR(Endpoint Detection and Response)」です。

 

EDRは、ネットワークに接続されたPCやサーバー、スマートフォンなどのエンドポイントを常時監視し、異常や不審な挙動があれば即座に検知・対処するセキュリティ対策のことです。

攻撃を未然に阻止するというよりは、エンドポイントがサイバー攻撃を受けることを前提としたうえで、管理者への通知やデバイスの隔離といった迅速な対応によって、被害を最小限に抑えることを目的としています。

EDRとゼロトラストセキュリティ

EDR が注目される背景として、既存のセキュリティ対策だけではサイバー攻撃を完全に防ぐことが難しくなっているという現状があります。

 

従来のセキュリティ対策は、「社内ネットワークは安全である」という前提のもと、重要な情報資産を社内に配置し、社外との”境界”にファイアウォールやIDS/IPSなどを設けて防御する手法が一般的でした。

しかし、昨今のクラウド利用拡大やリモートワークの普及に伴い、企業の情報資産が社外にも保管されるようになり、場所を選ばずアクセス可能となったことで、従来の”境界”を基準としたセキュリティ対策が通用しなくなってきています。

 

そこで、「すべてのアクセスを信用しない」ことを前提とする「ゼロトラストセキュリティ」の考え方が広まり、EDRはゼロトラストの実現を支える重要なソリューションの1つとして、現代のセキュリティ対策に不可欠なものとなっています。

2.Microsoft Defenderとは?

「Microsoft Defender」は、Microsoftが提供する一連のセキュリティ製品およびサービスの総称です。

具体的には、Windows OSに標準搭載されている基本的なセキュリティ機能「Microsoft Defenderウイルス対策」や、企業向けのエンドポイント保護機能を備えた「Microsoft Defender for Endpoint」などがその一例です。

 

Microsoft Defenderは、個人ユーザー向けから企業向けまで幅広く対応しているセキュリティ製品であり、エンドポイントやネットワーク、クラウド環境などの多岐にわたる領域を対象に、日々高度化するサイバー脅威から保護することを目的としています。

Microsoft Defenderの4分類

Microsoft Defender製品群は、対象とするユーザー層や利用目的によって、次の4つのカテゴリーに分類できます。

Microsoft Defender 4分類

個人向けMicrosoft Defender

【対象】

個人・家庭用

【用途】

PCやスマートフォンの基本的なセキュリティ保護、家族のデバイス管理、フィッシング対策など

【製品例】

  • Microsoft Defenderウイルス対策(Windows標準搭載)
  • Microsoft Defender for Individuals(Microsoft 365 Personal/Familyプランに含まれる)

Microsoft Defender for Business

【対象】

中小企業(従業員数300人以下)

【特徴】

  • 中小企業向けに設計された手頃な価格で使いやすいエンドポイントセキュリティ製品
  • Microsoft 365 Business Premiumプランに含まれる

Microsoft Defender for Cloud

【対象】

クラウド環境を利用する企業(Azure、AWS、GCPなど)

【特徴】

  • クラウド環境全体のセキュリティ管理
  • クラウド上のワークロード(VM、コンテナ、App Serviceなど)の保護
  • マルチクラウド・ハイブリッド環境対応

Microsoft Defender XDR

【対象】

中堅~大企業、セキュリティ運用チーム(SOC)

【用途】

エンドポイント、メール、ユーザーアカウント、クラウドアプリケーションなど、複数の領域にわたる脅威の検出・調査・対応

【製品例】

  • Microsoft Defender for Endpoint
  • Microsoft Defender for Office 365
  • Microsoft Defender for Identity
  • Microsoft Defender for Cloud Apps

Microsoft Defender XDRとは?

「Microsoft Defender XDR」は、Microsoft Defenderシリーズのうち、中堅~大企業向けの製品です。

複数のセキュリティ領域にまたがる脅威を横断的に検出・対応し、統合的なセキュリティ対策を実現します。

Microsoft Defender XDR 全体像

主な製品ラインナップと役割

Microsoft Defender XDR 製品ラインナップ

Microsoft Defender for Endpointとは?

「Microsoft Defender for Endpoint」は、Microsoft Defender XDRに含まれるクラウドベースのEDR製品です。

 

AIを活用した脅威の検出や攻撃パターンの分析により、マルウェアや不審な挙動をリアルタイムかつ高精度に検知できます。

ほかにも、脅威が見つかった際も迅速に対応し、被害の拡大を防ぐための仕組みが用意されています。

 

企業ごとのIT環境に合わせて柔軟にカスタマイズが可能で、大企業におけるセキュリティ体制の強化に大きく貢献します。

3.Microsoft Defender for Endpointの導入メリット

Microsoft Defender for Endpointの導入メリットとしては、次の4つが挙げられます。

  • 統合的なセキュリティ管理
  • Windows OS標準搭載で追加インストール不要
  • クラウドベースの高度なセキュリティ分析
  • Microsoftセキュリティ専門チームの知見を活用

統合的なセキュリティ管理

Microsoft Defender for Endpointは、Microsoftが提供する他のさまざまなセキュリティ製品とシームレスに連携し、1つのダッシュボードから包括的にセキュリティ状況を管理できます。

組織全体のセキュリティ状態をグラフやレポートで視覚的に把握できるため、現状把握や対応判断もスムーズです。

 

複数のセキュリティツールを使い分ける必要がなくなり、管理者の負担を大幅に軽減できる点も大きなメリットです。

Windows OS標準搭載で追加インストール不要

Microsoft Defender for Endpointは、Windows 10/11に標準搭載されているセンサー機能を活用して監視・検知を行うため、個々のPCに専用ソフトウェア(=エージェント)を別途インストールする必要がありません。

 

エージェントレスで導入が可能なため、初期構築や端末ごとの設定もシンプルであり、手軽に導入・運用を開始できます。

クラウドベースの高度なセキュリティ分析

Microsoft Defender for Endpointは、クラウドベースのサービスとして提供されており、専用サーバーの導入やメンテナンスは不要です。

また、エンドポイントから取得した挙動データをMicrosoftが蓄積する膨大な脅威データと照合し、AIによる高度な分析で過去の脅威との類似点を特定できます。

 

こうしたクラウドの強力な分析機能を活用することで、未知の攻撃に対しても迅速な検知・対応が可能となり、常に最新の脅威に備えたセキュリティ体制を維持できます。

Microsoftセキュリティ専門チームの知見を活用

Windows OSは世界中で利用されており、日々膨大なセキュリティ情報がMicrosoftに蓄積されています。

収集されたデータは、Microsoftの専門チームによって24時間365日体制で分析され、常に最新の脅威に対応できるよう運用が行われています。

 

Microsoftは、米国国防総省に次いで世界で2番目に多くサイバー攻撃を受けているとも言われており、セキュリティに対する知見や対応力は、第三者機関からも世界最高水準と評価されています。

Microsoftが保有する高度なセキュリティ知見は、Microsoft Defender for Endpointにもリアルタイムで反映され、最新のサイバー脅威に迅速かつ的確に対応できます。

 

自社で専門チームを抱えなくても、世界最高レベルのセキュリティ体制を活用できる点は大きな強みと言えます。

4.Microsoft Defender for Endpointの機能一覧

Microsoft Defender for Endpoint 機能一覧

Microsoft Defender for Endpointの主な機能としては、次の9つが挙げられます。

  • 脆弱性の管理
  • 攻撃面の減少
  • 次世代の保護
  • エンドポイントでの検出と対応(EDR)
  • 調査と修復の自動化
  • デバイスのMicrosoftセキュリティスコア
  • Microsoft脅威エキスパート
  • 一元的な構成と管理、API
  • Microsoftソリューションとの統合

ただし、契約しているMicrosoft Defender for Endpointのプランにより、利用できる機能はそれぞれ異なります。(詳しくは後述)

脆弱性の管理

「脆弱性の管理(Threat & Vulnerability Management)」は、エンドポイントに存在する脆弱性や構成ミスを自動で検出・評価し、攻撃リスクに基づいて優先順位を付け、修復までをサポートする機能です。

 

「どの端末に」「どのような脆弱性があり」「それがどれほど危険で」「どんな修正が必要なのか」といった情報をまとめて可視化できるため、管理者はリスクベースで効率良く脆弱性対応を行うことができます。

 

危険度の高い脆弱性から計画的に修復を進められるため、対策の抜け漏れを防ぎ、組織全体のセキュリティレベル向上につながります。

攻撃面の減少

「攻撃面の減少(Attack Surface Reduction)」は、マルウェアや攻撃者が侵入するための「入り口」を減らすことで、組織全体のセキュリティを強化する機能です。

セキュリティ対策の「第一防衛線」として機能し、マルウェアの侵入や悪用のリスクを最小限に抑えるための重要な役割を果たします。

 

例えば、次のような動作をあらかじめ制限することで、攻撃のきっかけとなる不審な動きを未然にブロックします。

  • 実行ファイルやスクリプトによるファイルのダウンロード・実行
  • 難読化された、あるいは怪しいスクリプトの実行
  • 日常業務では発生しないアプリの異常な動作

さらに、攻撃者が悪用する可能性のあるIPアドレスや不審なドメイン、URLへのアクセスをブロックする仕組みも備えており、外部からの侵入経路そのものを遮断できます。

次世代の保護

「次世代の保護(Next Generation Protection)」は、ウイルスやマルウェアなどの脅威からデバイスを守るために、AIとクラウド技術を活用した最新の防御機能です。

 

従来の「パターンマッチング方式」のような既知の脅威に有効な検出手法に頼るだけでなく、未知のマルウェアや新たな攻撃手法にも対応できるよう設計されており、リアルタイムで端末の動きを監視・分析します。

 

クラウドベースで常に最新の脅威情報を活用できるため、日々進化するサイバー攻撃にもスピーディに対応できる点が大きな特徴です。

エンドポイントでの検出と対応(EDR)

エンドポイントでの検出と対応、いわゆる「EDR(Endpoint Detection and Response)」は、PCやサーバーなどのエンドポイントにおける不審な挙動を検知し、その後の迅速な対応を支援する機能です。

 

近年の情報セキュリティでは、「攻撃を100%防ぐ」ことよりも、「万が一侵入された際に、いかに早く気づき、被害を最小限に抑えるか」が重要視されています。

Microsoft Defender for EndpointのEDR機能は、こうした考え方に基づき設計されており、「早期発見・迅速対応」を実現するための重要なセキュリティ機能となっています。

調査と修復の自動化

「調査と修復の自動化(Auto Investigation & Remediation)」は、脅威が検出された際に、自動で原因の調査と対処を行う機能です。

 

脅威の検出によりアラートが発生すると、Microsoft Defender for Endpointが独自の検査アルゴリズムを用いて即座に調査を開始し、インシデントの原因や影響範囲を迅速に特定します。

その結果に基づき、デバイスの隔離やプロセスの停止、ファイルの削除といった対応を自動で実行します。

 

これにより、インシデント対応のスピードと精度が大きく向上し、セキュリティチームの作業負担を軽減しつつ、被害の拡大を最小限に抑えることができます。

デバイスのMicrosoftセキュリティスコア

「セキュリティスコア」は、ネットワーク全体や各端末のセキュリティ状態を数値で可視化する機能で、先に紹介した「脆弱性の管理」機能の一部です。

どの端末やネットワークがどの程度安全なのかを一目で把握できるため、現状のセキュリティ状態だけでなく、改善の進捗状況を確認する際にも役立ちます。

 

スコアは単なる数値だけでなく、その内訳や改善のための具体的なアクションも提示されるため、重要度や緊急度の高い項目から優先的に対応し、効率良くセキュリティリスクを低減できます。

Microsoft脅威エキスパート

「Microsoft 脅威エキスパート(Microsoft Threat Experts)」は、Microsoftのセキュリティ専門チームによる脅威対応支援サービスです。

Microsoftの専門家が利用者の環境に合わせて重大な脅威を見逃さず、迅速な対応をサポートします。

 

通常のアラートだけでは分かりにくい攻撃の背景や優先順位も、Microsoft専門家の解説付きで通知が行われるため、調査・対応の質とスピードが格段に向上します。

さらに、必要に応じてMicrosoft専門家への質問も可能(※別途契約が必要な場合あり)で、リアルタイムで直接アドバイスが受けられます。

 

世界トップレベルのセキュリティ知見に基づく監視と分析支援を受けながら、インシデントの見逃しや対応の遅れなどのリスクを大幅に軽減し、より強固なセキュリティ体制を構築できます。

一元的な構成と管理、API

Microsoft Defender for Endpointでは、「Microsoft Defenderポータル」と呼ばれる管理画面で、組織全体のセキュリティ状況を一元管理できます。

 

ネットワーク全体から各デバイスの状態までを分かりやすく可視化し、ユーザーID・デバイス・アプリ・データ・メール・Webなど、複数のセキュリティ領域を横断的に監視可能です。

インシデント発生時には、攻撃の経路や影響範囲、推奨される対応策を含む詳細なレポートが自動生成され、原因調査や将来的なセキュリティ対策の立案に役立ちます。

 

さらに、「Microsoft Defender for Endpoint API」を活用すれば、アラート取得や対応の自動化が可能となり、セキュリティ運用の効率化と管理者の負担軽減を実現します。

Microsoftソリューションとの統合

Microsoft Defender for Endpointは、他のMicrosoftセキュリティ製品と柔軟に連携することで、より強固で効率的なセキュリティ対策を実現します。

例えば、モバイルデバイス管理(MDM)ツールの「Microsoft Intune」を利用している場合、Intuneの条件付きアクセス機能と組み合わせて、感染リスクのある端末からのアクセスを自動で制限できます。

 

ほかにも、次のようなMicrosoftセキュリティ製品と統合することで、脅威の検知・分析・対応を一元的に管理できます。

  • Microsoft Defender for Cloud
  • Microsoft Sentinel
  • Microsoft Defender for Cloud Apps
  • Microsoft Defender for Identity
  • Microsoft Defender for Office 365

5.Microsoft Defender for Endpointライセンスの種類

Microsoft Defender for Endpointには、「Microsoft Defender for Endpoint Plan 1」「Microsoft Defender for Endpoint Plan 2」という2つのプランがあり、提供される機能に差があります。

また、Microsoft Defender for Endpointと似たようなエンドポイントセキュリティ製品として、従業員数300名以下の中小企業を対象とした「Microsoft Defender for Business」もあります。

それぞれのプランの特徴や違いについて見ていきましょう。

Microsoft Defender for Endpoint Plan 1

次世代保護や攻撃面の縮小など、基本的なエンドポイント防御に特化したプランです。

【対象】

エンタープライズ向け(中小企業~大企業まで対応)

【単体プラン価格】

¥471 ユーザー/月(年契約月払い)

【含まれるプラン】

Microsoft 365 E3
¥5,059 ユーザー/月(年間契約)

主な機能

  • 次世代保護:AI を活用したクラウドベースのウイルス・マルウェア対策

  • 攻撃面の縮小:デバイスやアプリケーション、ネットワークの保護による攻撃対象領域の縮小

  • 手動応答アクション:デバイス隔離、ファイル検疫、プロセス停止、フルスキャンの実行など

  • 集中管理ポータル:Microsoft Defenderポータルでの一元管理

  • クロスプラットフォーム対応:Windows、MacOS、iOS/iPadOS、Androidに対応

  • デバイスベースのアクセス制御:Microsoft Intuneの条件付きアクセスと連携し、感染リスクのある端末からのアクセスを制御

  • API連携:セキュリティ運用の自動化

  • SIEM連携:ログの収集・分析、インシデントの検知・対応を効率化

  • 脅威インテリジェンス連携:Microsoftが収集・分析した最新の脅威情報をMicrosoft Defender for Endpointの防御にリアルタイムで反映

Microsoft Defender for Endpoint Plan 2

EDRや自動調査/自動対応、脆弱性管理を含む、エンドポイント防御のフル機能を備えた上位プランです。

【対象】

エンタープライズ向け(中小企業~大企業まで対応)

【単体プラン価格】

¥818 ユーザー/月(年契約月払い)

【含まれるプラン】

Microsoft 365 E5
¥8,208 ユーザー/月(年間契約)

主な機能

Plan 1の機能すべて

  +

Plan 2固有の機能

  • EDR機能:エンドポイント上の挙動を継続的に監視し、異常を検出・調査・対応

  • 調査と修復の自動化:インシデント発生時に自動で原因を調査し、修復アクションを自動実行

  • 脆弱性管理:ソフトウェアの脆弱性や構成ミスを検出し、リスク評価や優先順位付けなどにより対応を支援

  • デバイス検出:Microsoft Defender for Endpointで管理されていないデバイスを検出

  • 脅威分析レポート:最新のサイバー脅威に関する詳細な分析と具体的な対処方法をレポート形式で提供

  • 高度な追及:KQL(クエリ言語)を用いて、Microsoft Defenderで収集する最大30日間分の生データを探索

  • Microsoft脅威エキスパート:Microsoftのセキュリティ専門家による高度な脅威分析支援サービス

Microsoft Defender for Business

Microsoft Defender for Endpoint Plan 2の主要機能を、中小企業でも手軽に利用できるように簡素化・最適化したプランです。最大300ユーザーまで対応しています。

【対象】

中小企業(最大300ユーザーまで)

【単体プラン価格】

¥471 ユーザー/月(年契約月払い)

【含まれるプラン】

Microsoft 365 Business Premium
¥3,298 ユーザー/月(Teamsあり・年払い)

主な機能(※一部制限あり)

  • 次世代保護:AI を活用したクラウドベースのウイルス・マルウェア対策

  • 攻撃面の縮小:デバイス制御、アプリケーション制御、Web・ネットワークの保護など

  • EDR機能:エンドポイント上の挙動を継続的に監視し、異常を検出・調査・対応

  • 手動応答アクション:デバイス隔離、ファイル検疫、プロセス停止、フルスキャンの実行など

  • 調査と修復の自動化:インシデント発生時に自動で原因を調査し、修復アクションを自動実行

  • 脆弱性管理:ソフトウェアの脆弱性や構成ミスを検出し、リスク評価や優先順位付けなどにより対応を支援

  • 集中管理ポータル:Microsoft Defenderポータルでの一元管理

  • クロスプラットフォーム対応:Windows、MacOS、Linux、iOS/iPadOS、Androidに対応

  • デバイスベースのアクセス制御:Microsoft Intuneの条件付きアクセスと連携し、感染リスクのある端末からのアクセスを制御

  • API連携:セキュリティ運用の自動化

  • 脅威インテリジェンス連携:Microsoftが収集・分析した最新の脅威情報をMicrosoft Defender for Businessの防御にリアルタイムで反映

「Plan1」「Plan2」「Business」プラン別機能比較

※Microsoft Defender for Businessに含まれる機能は、中小企業(最大300ユーザー)向けに簡素化・最適化されています。

Microsoft Defender for Endpoint Plan1 Plan2 Business 違い

他のMicrosoftセキュリティ製品との連携

Microsoft Defender for Cloud AppsやMicrosoft Defender for Identityなど、Microsoftが提供する他のセキュリティ製品との連携は、Microsoft Defender for Endpointの「Plan 2」のみが完全対応しています。

 

「Plan 1」は、基本的なエンドポイント保護機能に特化しており、他製品との連携は限定的です。

中小企業向けの「Microsoft Defender for Business」は、単体運用を前提としているため、他製品との連携は基本的にサポートされていません。

 

一方で、モバイルデバイス管理(MDM)ツール「Microsoft Intune」は、「Plan 1」「Plan 2」「Business」すべてで連携可能であり、セキュリティポリシーの一括適用や条件付きアクセス制御が実現できます。

どのプランを選ぶべき?

Microsoft Defender for Endpoint Plan 1/Plan 2、Microsoft Defender for Businessのうち、どのプランがおすすめかは、利用目的や組織の規模、予算などによって異なります。

プラン選びの目安としては次の通りです。

Microsoft Defender for Endpoint Plan 1

Microsoft 365 E3をすでに導入しており、最低限のエンドポイント保護を導入したい企業におすすめ。

ウイルス・マルウェア対策や、デバイス隔離・ファイル検疫といった手動の応答機能を備え、基本的なセキュリティ対策を強化できます。

Microsoft Defender for Endpoint Plan 2

より高度なエンドポイントセキュリティ対策を求めている企業におすすめ。

EDR(エンドポイントでの検出と対応)、脆弱性管理、自動調査・自動修復、高度な分析機能まで含めてフルカバーしています。

他のMicrosoftセキュリティ製品とも柔軟に連携可能なことから、ゼロトラストセキュリティの構築に役立ちます。

Microsoft Defender for Business

従業員数300人以下の中小企業で、コストを抑えつつEDRや脆弱性管理を含むPlan 2に近い機能を取り入れたい企業におすすめ。

Microsoft 365 Business Premiumに含まれており、高いコストパフォーマンスと導入・運用のシンプルさが特徴です。

予算やセキュリティ人材が限られている企業でも安心して活用できます。

6.Microsoft Defender for Endpointよくある質問

Microsoft Defender for Endpointに関してよく寄せられる質問をまとめました。

従来のウイルス対策ソフトとの違いは?

従来のウイルス対策ソフトは、侵入してくるマルウェアをいち早く検知し、デバイスへの感染を未然に防ぐことが主な目的です。

 

一方、Microsoft Defender for EndpointのようなEDR製品は、攻撃を完全に防ぐことが困難であるという前提に立って、侵入された後の検知や対応を迅速化し、被害をできるだけ最小限に抑えることを目的としています。

他社製のウイルス対策ソフトと併用できるか?

他社製ウイルス対策ソフトとの併用自体は可能です。

ただし、システムの競合により動作が不安定になったり、併用時に発生した問題に関してセキュリティベンダーから十分なサポートが受けられないといった制約があります。

 

そのため、安定性とサポート体制を考慮すると、どちらか一方の製品を選択して運用することが推奨されます。

Windows OS以外でも利用できるか?

Microsoft Defender for Endpointはマルチプラットフォームに対応しており、Windows以外の多くのOSで利用可能です。

 

Windows 10/11のほか、MacOS、Linux、iOS、Androidデバイスにも対応しているため、異なるOSが混在する環境でも一貫したセキュリティ対策を実現できます。

デバイスのパフォーマンスに影響はあるか?

Microsoft Defender for Endpointは、エンドポイントへの影響を最小限に抑えるよう設計されています。

 

ただし、詳細なスキャン処理や大規模な更新作業時には、一時的にパフォーマンスへの影響が大きくなる場合があります。

第三者機関からのセキュリティ評価は?

Microsoft Defender for Endpointは、複数の第三者機関から高い評価を受けており、その性能は世界中の多くの企業で信頼されています。

 

例えば、ドイツの評価機関「AV-TEST」が定期的に実施しているウイルス対策ソフトの性能テストにて、Windows標準搭載の「Microsoft Defender ウイルス対策」は、2021年以降「保護性能」「パフォーマンス」「使いやすさ」の3項目すべてでほぼ満点に近いスコアを継続的に記録しています。

また、オーストリアの独立系組織「AV-Comparatives」が2021年8月から11月にかけて実施したパフォーマンステストでは、「Microsoft Defender ウイルス対策」が保護率99.8% という高い評価を獲得しています。

こうした実績は、Microsoft Defender for Endpointが既知・未知の脅威に対して強力な防御力を発揮するだけでなく、「セキュリティ」「業務効率」「利便性」のバランスに優れた、企業の情報資産を守るうえで非常に有効な選択肢であることを裏付けています。

ゼロデイ攻撃への対策はできるか?

Microsoft Defender for Endpointは、AIや機械学習を用いた行動分析により、ゼロデイ攻撃を含む未知の脅威を検出・防御します。

 

ただし、ゼロデイ攻撃に対して100%完全な防御を保証するものではないため、アクセス制御、データの暗号化、従業員教育、ログ監視といった複数の対策を組み合わせた多層的なセキュリティ体制の構築が推奨されます。

利用に必要なライセンスは?

Microsoft Defender for Endpointが利用できる主なプランは以下の通りです。

Microsoft Defender for Endpoint Plan 1

▶ウイルス・マルウェア対策やサイバー攻撃面の減少、デバイス制御などの基本的なエンドポイント保護機能を提供

  • Microsoft 365 E3
  • Microsoft 365 E5
  • 単体ライセンス(スタンドアロン)

Microsoft Defender for Endpoint Plan 2

▶EDR(エンドポイント検出と応答)や自動調査・対応、脆弱性管理、サイバー攻撃分析などの高度なセキュリティ機能を提供

  • Microsoft 365 E5
  • Microsoft 365 E5 Security
  • Windows 11 Enterprise E5
  • Microsoft 365 F5 Security
  • Microsoft 365 F5 Security + Compliance
  • 単体ライセンス(スタンドアロン)

Microsoft Defender for Business

▶Plan 2に近い機能を中小企業向けに提供(従業員数300名以下の企業が対象)

  • Microsoft 365 Business Premium
  • 単体ライセンス

無料トライアル期間はあるか?

Microsoft Defender for Endpoint Plan 2では、90日間の無料トライアルが提供されており、Plan 2が持つ「EDR(エンドポイントでの検出・対応)」機能や「自動調査・対応」機能などを実際に体験できます。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

Microsoft Defender for Endpointは、AIや機械学習を活用した高度な防御機能に加え、Microsoft製品との親和性、一元管理のしやすさなどが高く評価されています。

さらに、中小企業向けには、導入・運用がシンプルでコストパフォーマンスに優れたMicrosoft Defender for Businessも提供されており、企業の規模やニーズに応じて柔軟なセキュリティ対策が可能です。

自社のエンドポイントセキュリティ対策を見直す際の参考情報として、ぜひ本記事をお役立てください。

 

なお、Microsoft Defender for EndpointやMicrosoft Defender for Businessの導入に際して不安を感じている企業様は、ぜひお気軽に当社へご相談ください。

当社コンピュータマネジメントでは、超上流のシステム企画・要件定義から、下流工程のシステム運用・保守、インフラ構築、セキュリティ対策まで幅広くサポートする「情シス支援サービス IONイオンを提供しております。

「どのプランが自社に適しているのか分からない・・・」

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「使いこなせるかどうか不安・・・」

「何かあった時に相談できる相手が欲しい・・・」

など、Microsoft Defender製品の導入から運用までを幅広くサポートいたします。

 

ほかにも、お客様の状況に合わせたセキュリティ対策のご提案など、IT関連のあらゆる業務に対応可能ですので、ITまわりで何かお困りごとがございましたら、ぜひお気軽に当社コンピュータマネジメントへご相談ください。

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この記事を書いた人

Y.M(マーケティング室)

2020年に株式会社コンピュータマネジメントに新卒入社。
CPサイトのリニューアルに携わりつつ、会社としては初のブログを創設した。
現在は「情シス支援」をテーマに、月3本ペースでブログ更新を継続中。